K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

村上春樹 presents 山下洋輔トリオ再乱入ライブ(2022) なんとも困ったレコード

村上春樹 presents 山下洋輔トリオ再乱入ライブ(MURAKAMI RADIO Label, 2022)
A1. テーマ
A2. 木喰
B1. ミナのセカンドテーマ
B2. グガン
B3. アンコール:メモリー・イズ・ア・ファニー・シング
山下洋輔(p),中村誠一(ts),森山威男(ds)
2022年7月12日(火)、早稲田大学大隈記念講堂
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昨年のFM東京によるイベントのレコード化:

なんとも困ったレコード。洒落なんだろうが、洒脱でないシャレを聴かされた後味の悪さ、が残る。

10年ちょっと前の山下洋輔トリオ40周年のときのような熱気も感じられず、新しい早稲田の施設のお披露目に刈り取られたような演奏。ご招待を再乱入という。

しかもホールの特性だろうか。音像が明瞭でない。改めて、Dancing古事記を聴き直したが、あの混乱の中での、ホールですらない場所での演奏のほうが音響的には聴き易いのはなんとも。

レコードの惹句にも脱力。

<リリースに際して、村上春樹さんからのメッセージ>
記念すべき貴重な記録だし、また演奏内容も素晴らしいものなので、一人でも多くの人に聴いていただければと思います。とくに若い人たちに聴いてもらえると嬉しいですね。
今聴いても、というか、今聴くからこそ新鮮な音楽なんです。(村上春樹)

なんとも、だらけなのだ。

ストリーミング視聴で以下のような感想を書いたのに、すっかり忘れてレコードを注文したボクは馬鹿です(涙):

1時間10分で山下洋輔登壇。約40分。麿赤児が作った「Dancing古事記」が34分弱だから、今回のほうが長い。1969年の大隈講堂のコンサートの曲中心。やはり当時のアルバム群を聴くときほどには盛り上がらない。森山威男の1969年は成長途上というより成長前、じゃないかな。後年のトリオでの演奏と比べ、型がまだできてない感じ。だから、この21世紀のライヴのほうが迫力がある。山下洋輔は、決まった型を繰り返している、甘い手癖中心の演奏でDancing古事記での音の粒立ちに乏しい。中村誠一も緩かったな。

ということで、あれま的イベントで、話題性のみが満点、ということだった。

結局、初代トリオの「あの感じ」からは遠い、ということに過ぎないのだろうな、と思う。

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Dancing古事記は、昨年にアナログ復刻されたようなので是非是非。

DANCING古事記

DANCING古事記

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