Herbie Hancock: Flood (1975, CBS/Sony)
A1. Introduction & Maiden Voyage (Herbie Hancock) 7:00
A2. Actual Proof (Herbie Hancock) 8:18
B1. Spank-A-Lee (Herbie Hancock) 8:49
B2. Watermelon Man (Herbie Hancock) 5:23
C1. Butterfly (Herbie Hancock) 12:43
C2. Chameleon (B. Maupin, H. Mason, H. Hancock, P. Jackson) 10:54
D. Hang Up Your Hang Ups (H. Hancock, M. Ragin, P. Jackson) 19:27
Herbie Hancock(p, Fender Rhodes, Clavinet, synth), Bennie Maupin(ss, ts, fl, b-cl,Saxello, perc), Blackbird McKnight(g), Paul Jackson (b), Mike Clark(ds), Bill Summers(perc)
Cover Art: Noboyuki Nakanishi
Cover Design: Teruhisa Tajima
Engineer: Tomoo Suzuki
Mixed By [Remixed] : David Rubinson
Director: Keiichi Nakamura
Recorded live at Shibuya Kohkaido, June 28, 1975, & Nakano Sun Plaza, July 1, 1975 Tokyo, Japan
-------------------------------------------------------
先日、仕事でやってきた20歳くらい年下の方と呑んでいて、ひょんなことでジャズ・ファンだってことが分かった。それもT大ジャズ研でアルトサックスだったそうだ。
その彼が、この邦題「洪水」が好きだって云うので、1975年のマイルス・デイヴィスの大阪ライヴである邦題「アガルタの凱歌」を聴かせたら、大喜び。なんともグルーヴする夜になった。
それから暫くFloodを聴いているが、ピアノとベースが繰り出すグルーヴ感に痺れている。ビートから異なるビートへの遷移感が凄い。
電気ピアノで残響音による奥行き・空間を殺し、畳み込む音でそれを構築するような凄まじい技巧に恐れ入ってしまった。これはこれで演奏の極北だなあ、と思った。
1979年頃、ヘッド・ハンターズ以降のハンコックは「クロスオーヴァー」に分類されていたが、どこから聴いても、かなり正面のジャズ、今になって聴けば。面白いものだと思う。
[2010-04-06]
このFloodの冒頭はファンクではじまるかと思いきや,ピアノの処女航海ソロからスタート.とてもゆったりと美しい.その流れから一転,Actual Proofでベースがグルーブする流れが格好いいし,気持ちいい.ジャズの気持ちよさは,このギヤチェンジ,シフトダウンの瞬間じゃないかな.
60年代のBlue Noteもいいけど,ね. 冷静に考えるとハービーの僕的一番はコレ.これが当初,「洪水」という邦題の日本盤しか出ていないことを考えると,当時の日本の熱気が凄いのじゃないかと思ったりする.Miles DavisのAgharta(アガルタの凱歌)やPangea(パンゲアの刻印)も.これらのCBSソニー作品はLPジャケットからぶっ飛びなのです.この頃は,かのTBMやフォノグラムのEast Windとか日本のジャズレーベルの質も高いしね.僕はちょっと後の世代だが. ほんとうに1975年にジャズを聴いていなかったことがとても残念.
Herbie Hancock – Flood (Full Album) 1975