K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

宝達の祭り:どこか懐かしい村の祭り、のような花火大会で秋をはじめた


Iさん誘ってくれてありがとう、Jさん連れて行ってくれてありがとう。

土曜の夜は、心地良しというには、あまりに心地の良い夜でした。
あの宵のぬるい大気のなかで見たものは、見たこともないのに懐かしさを感じる在りし日のよう。
得たこともないのに、失ってしまった時間のよう。

あのような祭りの夜は、どこにでもあった光景なのでしょうが、 都会地の郊外の住宅街で育ったボクには経験のない祭りの宵。村の中に紛れ込んで時間を過ごすことができたことが嬉しかった。

家々には薄暗く御神燈が灯り、神々を迎えるために戸口が解き放たれ、祭りの宵の微かな昂奮が漏れ出している。そのなかを親しい友人達と歩いていると、時間がゆっくりと背中のほうに流れていった。

     とおい記憶のなかに隠れているような光景
     振り向けば消えてしまうような儚いひととき
     はじめてだけど懐かしい祭礼の御神燈のひかり
     路地裏からきこえる子供や下駄の喧噪

そんなことの一つ一つに気持ちが向いて、子供のように落ち着きなく、きょろきょろと眺める自分にボクは呆れてしまった。



そんな静かだけど喧騒が伝わる路地を抜けて、田んぼの真ん中の花火会場に着いた。周りになんにもないから、小さな玉でも迫力があったね。打ち上げられる度に、頭を垂れた稲穂がみえて、何となく楽しい気持ちになった。花火によっては、拡声器からの音楽付き。とても喧しいのだけど、花火によってはヘヴィメタルが田んぼに響いたので、皆で笑ってしまった。





Iさん、楽しいひとときを有難う。僕とJさんは、花火が終わって早々に失礼し、ボクの家の近所で夜半過ぎまで深酒でした。そうしたら、同じ花火を見に行っていたヒトがいて、とても可笑しな感じの晩になりましたよ。
そんな秋の始まりであれば、いいなあと思っています。