K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Great pianists of the 20th Century-Stephen Kovacevich II

Great pianists of the 20th Century-Stephen Kovacevich II
CD1
1. Piano Sonata No. 5 in C minor (Ludwig van Beethoven)
2. Nocturnes (Fryderyk Franciszek Chopin)
3. Impromptus (Fryderyk Franciszek Chopin)
4. Four Piano Pieces (Johannes Brahms)
5. Out of doors (Béla Bartók)
6. Sonatina(Béla Bartók )
CD2
1. Concerto for Piano and Wind Instruments (Igor Stravinsky)
   BBC Symphony Orchestra with Stephen Kovacevich Conducted by Colin Davis
2. Concerto for Piano and Orchestra No. 1 (Sir Richard Rodney Bennett)
 BBC Symphony Orchestra with Stephen Kovacevich Conducted by Sir Alexander Gibson
3. Concerto for Piano and Orchestra No. 2 (Béla Bartók)
 BBC Symphony Orchestra with Stephen Kovacevich Conducted by Colin Davis

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このCDはGreat pianists of the 20th Centuryというシリーズで、実に多くのピアニストを取り上げている。しかも、幾つかのレーベルを縦断して曲を集めているので、選りすぐりの演奏が集まっているように思う。その端布を聴いて、全部揃ったCDが欲しくなる算段だろう。ボクはジャズではオムニバスは買わない。アルバムと二重に買うことになるから。
クラシックを聴くにあたっては、短期攻略を指向しているので、このオムニバスを手当たり次第(といっても20世紀の曲主体)に買って、好きなピアニストを絞り込もうと考えている。

そんな考えで、BartókやStravinskyの曲が入っているStephen Kovacevichという知らないピアニストのCDを買った。また**ヴィッチとか、**スキーのような名前に当たりが多いような感覚も芽生えているから(Kovacevichはクロアチア系米人だそうで、ヒトを名前で判断してはいけない)。

このCDをかけながら、先日の別山・白山の縦走に向かったのだけど、気持ちがよくて気分が高揚すること、すること。これも大当たりお買い物。

彼の弾くベートベンやショパンにも惹かれたのだけど、興味の発散が怖いので封印し、まずはBartókのピアノ曲に集中。Out Of Doorsでは荒々しく美しい不協和音の連打にイカレてしまった。やられた。Bartókの曲が良いのだろうが、打楽器的な打鍵で、こんなに美しく響かせるとは。ということで、これも大当たり。溜息がでるくらい激しく美しい音の流れ。低音の唸りが気持ち良い。Sonatinaでは民族音楽的旋律の響きが蠱惑的。先日のSchiffの上手。そのうち、もとのLPレコードを探そうと思った。

2枚目のCDは協奏曲。ボクはジャズでも大編成が苦手。Stravinskyの曲のオケがゆったりとはじまり、ピアノの独奏曲じゃないことを知って、舌打ちした。ところがピアノがパワー全開で飛び込んできた後の展開は、協奏曲の楽しさを知らしめるもので、恐れ入りました。初めて名前を知ったRichard Rodney Bennett (この人も20世紀音楽なんだな)やBartókの曲を含め,ボクの好みの音が絶え間なく続き、多少荒っぽい感じも与えるのだけど、強烈な打鍵で圧倒するピアノを存分に楽しめた。気持ちがとてもいい。

そんな訳で、Stephen Kovacevichをマークして買ったのがMartha ArgerichとのデュオのLPレコード。BartókやDebussyの曲となれば期待が高まる。平均単価600〜700円でLPレコードを買っているのだけど、これは1700円。ちなみに、この二人は過去,夫婦だったことがある、との師匠筋のコメントもあり、息のあった演奏に期待が高まる。そうね、ジャケットもそんな感じだし。

さて聴いた結果なんだけど、期待(超絶技巧系の応酬?)と異なり、難しい音を二人でうねうねして、不発で終わりのように感じた。とにかく気持ち良くないし、面白くない。Mozartの曲が良かった、って感じるのはどうなん、と不平たらたら。

面白いなあ。だから音源の蒐集は止められないなあ。



Martha Argerich and Stephen Bishop Kovacevich
PhilipsのLP