K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

東京・御茶ノ水「Jazz House Naru」初めて入った店で初めて聴いた大野雄二


ほんの暫く金澤を離れていた。ボクが大好きな御茶ノ水に出かけた。ボクが東京に出かけた時の空き時間は殆ど御茶ノ水にいる。ディスクユニオンでCD/LPを買ったり、古本を買ったり。稀に山の上ホテルのバーで呑んだり。初めて出かけたのがまだ京都の学生だった頃だから30年前。それから随分と通っている。

いつの頃からかジャズのライヴハウスらしきものができて、随分前から気になっていた。それが駿河台のうえのJazz House Naru。ボクは意外と臆病なので、独りでライヴハウスにもなかなか決心しないと入れない。それに沢山のCD/LPや本を抱えていると、なかなか気が向かないしね。今回は夕暮れの頃から3時間あまりディスクユニオンでLPを漁ったので、喉がとても渇いた。だから、何となく入りたくなったのだ。しかも、出演は大野雄二さん。

大野雄二さんは、一度聴いてみたかったピアニスト。wikiにも書いてあるが、佐藤允彦さんと同世代(しかも同じ慶應出身)。ボクがジャズを聴きはじめた1979年頃にはスタジオやコマーシャル的な仕事をされていて、ジャズシーンには登場されていなかった。だけど、日野皓正の初リーダ作「Alone alone alone」(1968年)を聴くと、とても綺麗で洒脱なピアノを弾いていて、とても魅了された。1970年前後はSJ誌の人気投票(なつかしい)でもトップだったようなことを読んだ記憶がある。一般にはルパン三世のテーマ曲の作者として、知られているのだけど。

日野皓正のAlone alone alone http://www.youtube.com/watch?v=Nn-LQpFhGIY
とても綺麗な曲で好み


メンバーは大野雄二(p)、井上陽介(b)、江藤良人(ds)。

地下に降りてドアを開けると、薄暗いライヴハウスの空気に触れてドキドキした。40人くらい入る、演奏者と親密な空気を共有できる大きさ。ボクのような独りの客のためには、グランドピアノの周囲に席がしつらえてあって、寛げるようになっている。とても嬉しい。とても良いライヴハウスで気に入った。チャージは2500円。呑みものは別途。19:30,21:00,22:30の3セットで入れ替えなし。演奏は40〜50分/セットくらい。

さて演奏なのだけど、ボクはとても楽しめた。とても良くピアノを鳴らしていたから。早めのBopのアドリブが続くと、音の煌めきが影を潜めるところもあるのだけど、「autumn leaves」や「come rain or come shine」のようなスタンダードをゆったり弾いいたときの鳴りは良く、とても唄っていた。乗りもいいし、相変わらずの洒脱なムードが一杯だった。また聴きたくなった。それとベースの井上陽介さんも巧かったし、ドラムの江藤良人さんもツボにはまっていて煩くなくてよかったなあ。

今回は御茶ノ水に泊まったので、とてもゆっくりできた。神田明神脇の隘路の奥,坂のうえにある、ちょっと隠れ家みたいなホテル。坂を登るヒトを見ながらの朝食も楽しかった。これから都内に所用があるときは御茶ノ水に泊まることに決めた。