K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金澤郊外にて・長持ちする櫻花のこと


仕事場の櫻。枝垂れ櫻の花もちの長さには驚いてしまう。

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もう記憶が定かではないのだけど、随分前に仕事で金澤にやってきた。そのときは丁度、櫻花爛漫の時期で、広坂の賑やかしいこと、犀川の河畔の艶っぽいこと、何よりも遠景に犀奥の山々が白く光っていた。いつの日にか住んでみたいものだと願った。それから10年少しで住むことになったのだから、とりあえず「願ってみる」,ということは大切だな,って思う。多分、生きていく中で日々細かな出会いや選択肢があるのだけど,「願ったこと」に近づくよう一つ一つを選んでいくだろうから。そうして生きていく隘路のなかで、見知らぬ辻を曲がると、ふわっと「願ったこと」と鉢合わせになったりすることもあるのだ。たまたまかもしれないけどね。

新たな仕事を得て,金澤に移り住み、はじめての春迎えた。昨年のこと。そんな経緯もあったので、昂奮のなかで迎えた。朝となく晩となく、櫻を見てあるいた、そして呑んだ。夢をみるような楽しい体験であったのだけど、とても疲れた。開花時期がとても長いからね。以前に住んでいた関西や湘南のあたりは、頑張って1週間。ここは3月の終わりには早い櫻が見えはじめ、最後はGWはじめまで。殆ど一ヶ月のあいだ櫻を楽しむことができる。だから,あんまりはしゃぐと息が切れてイケナイのである。それが昨年の教訓。だから今年は静かに迎えて、静かに送るような気持ちで過ごしている。

今週に入って、風が吹いたり雨が降ったり、天候がとても荒れていた。まあ長いと云っても、櫻はもうお仕舞いかな、と思っていたのだけど、仕事場の裏手にしっかり咲く枝垂れ桜があった。夕陽の中で綺麗だと思う前に、櫻のしぶとさに呆れてしまった。

昨年、最後にみた櫻は五月中旬。1000m近い奥医王山の山頂で小さな株が咲いていた。ことしは、どこで最後にみるのだろうか。多分、近所の墓場の櫻だろうなって思うのだけどね。