Pat Metheny: What's It All About(2011, Nonesuch)
01. The Sound of Silence (Paul Simon)
02. Cherish (Terry Kirkman)
03. Alfie (Burt Bacharach & Hal David)
04. Pipeline (Bob Spickard & Brian Carman)
05. Garota de Ipanema (Antonio Carlos Jobim & Vinicius de Moraes)
06. Rainy Days and Mondays (Roger S. Nichols & Paul H. Williams)
07. That’s the Way I’ve Always Heard It Should Be (Carly Simon & Jacob Brackman)
08. Slow Hot Wind (Henry Mancini & Normal Gimbel)
09. Betcha by Golly, Wow (Thomas Bell & Linda Creed)
10. And I Love Her (John Lennon & Paul McCartney)
Pat Metheny(g)
少し荒れ模様だった週末から、やっと少しだけ落ち着いた日々を過ごせるようになってきた。先週はなんとなく月だ惑星だと、空を見上げて浮かれたような気分だったのだけど、今週は足元を見つめる気分で走ることに精を出している。気温も乱高下しながらも、その包絡線は着実に低下しつつあり、ようやく秋の気分になってきた。
今朝起きたら幾つも雲が重なる金澤の秋らしい空。犀川河畔を走った。いつも5kmを過ぎると退屈するので、意味もなく重なる雲の層をみながら、あれが白亜紀、あれがジュラ紀と地層に見立てて気を紛らわした。そのうち、蒼い先カンブリア紀が勢いよく弾けて、海のほうは晴れ空。振り返ると、山側は相変わらずだったけど。そんな雲に織り込まれたような金澤の街で過ごす時間は、できるだけのんびりとしていたい。そんな気持ちと裏腹のドギマギするほど、忙しい時間が流れていく。
そんな昨日、仕事場では一日中、パット・メセニーの新譜What's It All Aboutを聴いていた。古いポップスを中心としたカヴァー集。静かな淡い音が紡がれていく。ほんとうに音が紡がれていく、という感じで、その横で一緒に時間を過ごしている感じなのだ。
この1年くらい、クラシックを聴くようになってから、ジャズの新譜にはあまり手が出ていなかったのだけど、最近は購入再開。このアルバムも早々には手配(amazonの安価な海外ディラー)していて、先日ようやく入手。秋のこの候に聴きはじめて本当によかったなあ、と思っている。気分にぴったりなのだ。
ボクより少し年上の彼も折り返し地点を随分過ぎていて、ゴールが少しずつ見えているに違いない。だから、時間の流れを振り返ったときのノスタルジイ、のような彼の音には胸を衝くものがある。以前のギターソロ・One quiet nightと、なんだかそのあたりが違うように感じる。40〜50年くらい前にラジオから流れてきた曲を、彼が偉大な奏者として血となり肉となったものを、溜息のようにつぶやいているような味わいがある。
ディメオラをも指導したと伝えられて雑誌でもてはやされていた20代の頃の彼を聴きに行ってから30年も経ったのだな、としみじみ秋の夜に書かずにはいられない気持ちでいるのだ。これはボクのノスタルジイ。