John Zornはジャズを聴き始めた30年前から気になっていて、聴きたい、と思っていた。
この状態で未だ止まっている。村井さんの本を読んで、なおのこと聴きたい、と思っているのだけど。手が出ていない。
理由は簡単で、屍体写真のジャケットを見てから、どうも駄目なのだ。John Zornの名前を見ると、残虐な写真を想起して、気分が悪くなる。(他のヒトはどうだろうか。John Zorn, Nakidで画像検索したら出てくる、と思う。ゲッ)
それはともかく、このアルバムはパット・メセニーのJohn Zorn曲集。中東風のユダヤ曲集。なんとなくライヒなんかと、通奏低音が共通するような、面白い曲。メセニーは縦横無尽に、彼が創ることが出来る音を駆使して、アルバムを作っている。目眩を感じるような密度の濃さ、に驚いた。最近のメセニーのアルバムのなかで、一番面白い、のではないか。狂気すら孕んだような過剰さ、が全面に出ているという意味で。
単純な中東風の旋律をゆっくりと解体しながら、過剰で多様なジャズの語法で紡ぎ直す様に、唖然としているうちにアルバムは終わっていく。欧州のゲットーにあるシナゴーグから流れる旋律、とはこんなものだったのだろうか。最近、とかく中東的なものとジャズとの交点が気になるのだけど、これも、そんな中の1つであることは間違いない。
----------------------------------------------------------------------------------
Pat Metheny: Tap-John Zorn's Book of Angels(2013, Tzadik)
1. Mastema
2. Albim
3. Tharsis
4. Sariel
5. Phanuel
6. Hurmiz
Pat Metheny(g, etc), Antonio Sanchez(ds), Willow Metheny(vo)