K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Lyle Mays (1986) さようならメイズ

Lyle Mays (1986, Geffen)
A1. Highland Aire
A2. Teiko
A3. Slink
B1. Mirror Of The Heart
B2. Alaskan Suite : Northern Lights
                             : Invocation
                             : Ascent
B3. Close To Home
Lyle Mays(key), Nana Vasconcelos(perc), Marc Johnson(b), Alejandro “Alex” Acuna(ds)
Billy Drews(ss), Bill Frisell(g)
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20代の頃によく聴いた音は懐かしい。このアルバムとメセニーのTravelsは良く聴いた。夏のジャズ・フェスティバルにも良く行っていた時期だ。その頃の記憶と一緒になって、自分の奥底に隠れていたような音楽。

最近のメセニーに、PMGのような関心を持てない部分がある。それはメイズとメセニーが表裏一体となって創ってきた音、そこはかとない懐古の情を喚起するような、ではないからだ。当時はPMGすべてがメセニーの音世界だと思っていたが、PMGが消えて久しい間、この物足りなさがメイズにあると気がついたのは随分と後だ。

ボクがPMGを生で聴いたのは1980年。同級生のI君と出かけたサンケイホール。最前列だったのだけど、PAでブロックされてステージが見えなかった哀しい記憶がある。

このアルバムは本当に良く聴いたな。メセニー抜きのPMG。PMGの魅力のかなりの部分がメイズから来ていることがよく分かる。

[2013-05-21] この時期の風に吹かれると

GW明けから梅雨にかけての北陸は一番良い気候じゃなかろうか。梅雨前線も南に遠く、小雨の日を挟みながら、明るい日々が続く。大気は適当な湿気を孕み、やや冷たい風のなかで山に登ったり、走ったりする気持ちよさといったら。

この時期の風に吹かれるとPMG(Pat Metheny Group)のメロディが自然に口をついて出るときがある。そして遠くの山並み、雪解けが進む大きな景色を眺めながら、五感に静かに浸透していくもの全てを引き受けるような感覚、そんな時の気分にうまくはまってくれる。

日曜日にPMGのTravelsを聴いていたら、ふっとラリル・メイズを思い出した。最近、PMGとしてのアルバムは途切れ、また自身は寡作家なので、彼の音に久しく触れていないような気がした。という訳で今日の仕事場の音楽はこれ。低く流しているが、とても気持ちよく爽やか。最近、独りで偏狭な気分になることが多いのだけど、それをゆっくりと開くような力が有る。今の年齢の半分の頃の音楽だからね。もうすぐメイズも還暦かと、とても不思議な気持ちになったことは、云うまでもない。

Lyle Mays

Lyle Mays

  • アーティスト:Lyle Mays
  • 出版社/メーカー: Geffen
  • 発売日: 1993/03/25
  • メディア: CD