K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM1216) Pat Metheny: Offramp (1981) 曇天から晴れ間を覗くようなメイズの音世界に

Offramp

(ECM1216) Pat Metheny: Offramp (1981)
A1. Barcarole (Mays, Vasconcelos, Metheny) 3:17
A2. Are You Going With Me? (Mays, Metheny) 8:47
A3. Au Lait (Mays, Metheny) 8:32
B1. Eighteen (Mays, Vasconcelos, Metheny) 5:08
B2. Offramp (Mays, Metheny) 5:59
B3. James (Mays, Metheny) 6:47
B4. The Bat Part II (Mays, Metheny) 3:50
Pat Metheny(g), Lyle Mays(p), Steve Rodby (b), Danny Gottlieb(ds), Nana Vasconcelos(perc)
Artwork [Cover Graphic] : Gerd Winner
Design: Dieter Rehm
Engineer : Jan Erik Kongshaug, Barry Bongiovi
Producer : Manfred Eicher
Recorded October 1981 at Power Station, New York
Mixed at Talent Studio, Oslo
Released: 1982
https://www.ecmrecords.com/catalogue/143038750991/offramp-pat-metheny-group

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20代前半、就職で関東に移ったとき、社員寮にはラジオ・カセットしか置いていなかった。当時、よく聴いたのはパット・メセニーの東京公演で、FM東京のゴールデン・ライブ・ステージをエア・チェックしたもの。良い時代だった。繰り返し、繰り返し聴いていたように思う。ライヴの熱さと、楽曲の冷たさ、のようなものが同居する、不思議な演奏だった。

後年、そのカセット・テープの楽曲に対応したレコードを探した。それが Offramp。ボクの。なかでは、OfframpからTravelsがPMGの一つの頂点。楽曲の魅力だけではない。Eighteenのように、メセニーのオーネット理解のような曲も入っていて、ライヴ録音では、一際、魅力的な異彩を放っていたのだ。

当時はこれがメセニーの音と理解した訳だけど、改めて確認するとすべてメイズとの共作。さらにヴァスコンセロスが加わっている。曇天から晴れ間を覗くような、メイズの音世界に軽いブラジル味が香辛料のように効いている。その上で縦横無尽のメセニー。後年のDay tripなんかを聴くと、メイズの穴がなにか、よく分かるような気がする。

世間的にはゲフィンに移籍してから爆発的に人気が出たPMGだけど、やはり、この時期が一番いいなあ。

 

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