Herbie Hancock: The New Standard/Disc 2 (1996, JPN Verve Records)
1. You've Got It Bad Girl ( Stevie Wonder, Yvonne Wright) 21:03
2. Thieves In The Temple (Prince) 17:42
3. Dolphin Dance (Herbie Hancock) 12:09
Herbie Hancock (p), Michael Brecker (ts,ss), John Scofield(g), Dave Holland (b), Jack DeJohnette (ds), Don Alias(perc)
Engineer : Tomoo Suzuki, Gary Hirstius, Shinya Tanaka
Mastered by Eddy Sehreyer
Mixed by Raymond E. Blair, Alvin "Al" McGill
Limited edition first issue with bonus disc recorded at "Live By The Lake Kawaguchiko '96," August 1996.
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[2019-9-12] ハンコック・トリオは良いが
1979年からジャズを聴いて1985年位までは熱心だったが、あとは惰性。1980年頃のシーンの面白さで、そのまま聴き続けて賞味期限が切れたのは1990年代前半くらいかなあ。その面白さの一つがハービー・ハンコックをはじめとするマイルス・スクール的な奏者を追っておけば、最低品質保証はされる、そんな感じ。
ハンコックも Dis is da drum(1994)あたりまでかなあ。既にラズウェルとの共作あたりから後が息切れしていたように思う。このあたりが1970年代からのcross over/fusionの時代のお仕舞いなんだろうな。
だからハンコックの The New Standardでの、SJ誌推奨的なコンテクスト/新しい時代のスタンダード集、にはがっかりした記憶がある。このアルバムの日本盤/限定版に2枚組があって、河口湖でのライヴが収録されていることは、微かに記憶していたが、最近まで気に留めていなかったのだけど。
緩くハンコックのレコード・アルバムは集めているので、最近になってこのトラックの欠落が気になってきた。ハンコック、ホランド、デジョネットの3人組みとくれば、類似のアルバムに1990年の米国でのライヴ(video作品)がある。ギターにメセニーがはいる。アンサンブルとソロの応酬の素晴らしさ、凄い内容。だから、これも聴かねば、と思いたった。
しかし、このライヴは急ごしらえのライヴバンド、の側面は拭えていない。ブレッカーが吹き、スコフィールドが弾く、そこの馴染みがピンとこない。フェスティバル向けの荒っぽい感じ。しかしハンコックのソロになると、強靱なハンコック・トリオとしての側面が光り出し、とにかく凄い。往事のハンコックのジャズピアノ奏者の素晴らしさを知らしめる。
そんなことで、1曲目前半でのハンコックのソロパート、に尽きる。ドラムがややオフなのが惜しいが。2曲目はビートに乗り切っていない感じが残念。1990年のメセニーとのライヴに全く及ばない。3曲めのピアノ・ソロも悪くないが、洪水(Flood)冒頭の処女航海あたりと比べると物足りない。
まああえて揃える程ではないが、安CDなので...まあいいかな、という感じ。