K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Keith Jarrett: G. I. Gurdjieff/Sacred Hymns(1980) 非日常という日常

 困った日々、のなかにあった。睡眠障害、体調不調、仕事の輻輳での鬱屈、なんかが憑きもののようにマトワリついていた。重い。

 昨夜は雨上がりの後、驚くほど清澄な大気のもので、月が煌々と光を降り注いだ。夜半すぎに帰宅すると、部屋がふわっと明るかった。床の上に浮かぶ月を見て、居心地の悪い感覚が残った。

 明るい部屋で微睡んでいたら、白黒やセピアや原色の光景、山とか稲穂とか菜の花とかが、コラージュされた光景のなか走る蒸気機関車を見た。なんだか懐かしい感覚になっていたら、海の中に機関者は走って行き、海面にぽっかり開いた口のなかに機関車が吸い込まれていった。一緒に眺めていた誰かが、海底トンネルだよ、と呟いた。一度も見ていなかった関門海峡のトンネル、だと思った。

 目が覚めた後、犀川の傍を走ってみた。体が重く、自分の体ではない。空が陰ってきた頃、急に衣装が脱げるように、「何かが」ずり落ちた。きっと憑きもの、のようなものが、落ちたに違いない。その感覚を明瞭に感じた。

 なんともヘンな非日常という日常を過ごしている。

 そんな日のお仕舞い方には、やはり少しだけ非日常のなかに身を置きたいときに聴くアルバムを聴いている。

 

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Keith Jarrett: G. I. Gurdjieff/Sacred Hymns(1980, ECM)
   A1.Reading Of Sacred Books
   A2.Prayer And Despair
   A3.Religious Ceremony
   A4.Hymn
   A5.Orthodox Hymn From Asia Minor
   A6.Hymn For Good Friday5
   A7.Hymn
   B1.Hymn For Easter Thursday
   B2.Hymn To The Endless Creator
   B3.Hymn From A Great Temple
   B4.The Story Of The Resurrection Of Christ
   B5.Holy Affirming - Holy Denying - Holy Reconciling
   B6.Easter Night Procession
   B7.Easter Hymn
   B8.Meditation