K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

月が気になるこの頃のこと


酔いどれの日々はいつものことだけど、この夜は卯辰山の上に月を見た。ぼんやりと火が灯る茶屋街を睥睨する月。雲を貫く強い光を放っていた。

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 何回も書くが、金沢に来てこの8月末で丸3年。だから、この秋は4回め。随分早いものだ。

 金沢に来た頃に驚いたのは、月が大きく、明るいこと。真っ暗な職場を歩いているとき、窓の外から照らす強い光が月のものと気がつくまで暫くかかったものだ。大気の透明度が違うのだろうね。

 前職での疲れの澱のようなものが溜まっていて、仕事替えもあって、気分的にはあまり落ち着きのよい状態ではなかった。体を動かすのも、そんな気分を支える意味合いもあった。今でも、微かにはそのようなものが奥底に眠っているような気がする。

 困ってしまったのは、月の光に惹かれるということが、そのような気分とどのような回廊かで繋がっていることに気がついたとき。とても、敏感に気持ちが揺り動かされる、ような。1回め、2回めの秋にはすっかり困ってしまうことが多々あった。3回目の秋は幸い落ち着いて、気分もゆったりしたように思う。その代わり、月の存在に気がつくことも随分少なくなった。それはそれで、少しさびしいような気分になった。

 さて4回めの秋なのだけど、再び月に気がつくことが多くなった。何故だろうか。幸いなことに、今のところはそれだけのこと。素直に気持ちが惹かれるような感じで、何かmagicalなものに困るようなことはない。さて大丈夫なのだろうか。