K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金沢・鱗町「料理 小松」 短い秋の長い時間


 もう20年位の付き合いがある友人が金沢にやってきた。仕事を持ってきてくれた。何となく、引っ込んで生きている感じがあるので、そんな仕事が嬉しい。彼の配慮に感謝。

 仕事の話もそこそこに、美味しいものを食べに出かけた。この1年くらいか、酒場で話題になっている鱗町の「料理 小松」にはじめて出かけた。中心地からややはずれ、ちょっと寂しい街の雰囲気に友人は心配していたのだけど、噂に違わず、美味しい店で満足した。甘酒のようなシロップ、ゴマだれの果物のはじまりに意表を突かれた感じで、嬉しい驚きの連続。

 食べ物のことを上手く書く力もないし、食事中の写真はナンなので控えていた。まあ気持ちが違うトコロへ行ってしまうからね。だけど、鰻の白焼きがあまりに美味そうで、綺麗だったので一枚撮ってしまった。その気持、ボクのヘボ写真で伝わるかな。

 口のなかでもフォトジェニックな感じ。思わず声を漏らしたら、隣席の別のご一行と思わぬ唱和。顔を見合わせて、にっこり。さあっと幸せ感がカウンターにひろがった。そんな体験ははじめて。本当によい体験。

 金沢に来た時分は、時間の進み方が本当にゆっくりで、3年分くらの長さの1年を過ごした。丸3年が過ぎ、4回めの秋を迎える頃には何だか1年が1年の長さになってしまって、そんな時間の感覚はどこかへ行ってしまった。小松で過ごした2時間強の時間、久しぶりに何時間にも感じる、ゆっくりと静かな長い時間を過ごすことができ、友人も満ち足りた表情。よかった。

そんな金沢の短い秋の長い時間を過ごすことができた。また行きたいな、って思った。