冬に稀な好天を知った。そして凍った雪面の記憶をみた。
仕事を昼からにした。朝食をゆっくり食べても8時前に見上峠を出発することができる、金沢の生活が嬉しい。峠手前で氷点下5℃の表示。雪面が良く締まっている。スノウ・シューで雪を蹴散らしながら登った。白兀山まで約2時間の登り。
白山は勿論、立山、剱、白馬まで遠望できた眺望も良かったが、雪面の美しさに惹かれた。散乱する光から雪面が結晶に覆われていることがはっきりと分かる。行き交う動物たちの印。風の跡。その上に光が滑っていく。スノウ・シューで自在に雪原を歩くことができ、ボクも一本の長いトレイスを残してきた。山頂から1時間で見上峠まで駆けおりた。気温は8℃。雪面は融解し、朝の輝きは遠い記憶になった。
殆どは野兎の足跡。
分岐。雪面のケモノ道なのだろうか。
雪の粒子がひかる。
雪面のたおやかな起伏を光のグラデーションから知る。
どんなケモノだろうか。ケモノが毛物、であることを忘れて、透き通ったスタンプのように思える
浅い、風で消えそうな足跡
消え行く文様。風の流れが可視化されている
光降り注ぐ中、いつまでも雪面を見て過ごしていたかったが