K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

午後の山・独りの山


 病んでいた、わけではないのだけど、病んでいる、状態に歩み寄っている感覚はあった。外に出る気持になれないし、なにか気持のどこかが鎖をつながれた、ような重さ。だから正月に何回か走った後は、仕事で呑む以外はあまり外出していない。勿論、多忙であることが理由ではあるのだけど。最近のECMへの集中も、同じ根っこなのだと感じている。何かの代償行為、なのか。

 今朝は、仕事の酒が残っていて、気持ちよいものではなかった。ただ、そんな靄がかかったような状態に嫌気だけはあった。山に行く気持ち、が本当に久々に沸いてきた。消えないように、少し暖かいものを食べて元気を出したり、山の道具を取り出してメンテナンスしたり。何とか昼頃には出かける気分になってきた。天候は2月の金沢と思えないくらい、素晴らしい。

 見上峠には13時に着き、夕刻には仕事に行かなきゃいけなかったから、とても限られた時間での山歩き。スノウ・シューをザックにくくり付け、歩きはじめた。登りは急ぐので白兀山への分岐まで林道、約1時間。

 

 そこからスノウ・シューで急登、白兀山まで30分だった。午後のしらけたような光の中、北アルプスから白山まで見え、久々の爽快感を味わった。

 

 帰りは楽しい。スノウ・シューの下りはツボ足の跡、には向かなくて、ザラメ前の固まりかけた軟雪に飛び込むようにすると、ちょっとした滑っている感があるから。写真を撮りながら、急斜面を駆け下りたり、遊びながら下った。約1時間の下り。

 遅い出発だったので、西尾平あたりまで下山者とすれ違い続けた。白兀山への分岐からは独り、次第に柔らかくなる午後の斜光のなか、独り、で静かな時間を過ごした。自分の呼吸を聴いていたような気がする。