1979年にジャズを聴きはじめた。その数年前からラジオでよくキース・ジャレットのケルンコンサートの出だしがかかっていた。その音が気になっていた。たまたま友人の兄が持っていて、どういう経緯か、ラジオの美しいピアノが「それ」だと知って聴いた。そして京都河原町のレコード屋で買った。1979年6月、梅雨の時期のこと。ECMの記憶は、薄暗い梅雨空からはじまっている。それから急速にはまって、アルバイトの代金は殆どがレコードに消えた。
同時期にスイング・ジャーナルを読みはじめた。ウェザーリポートの全盛期。当時の記事は染み入るように記憶に残っている。不思議なものだ。3年ぐらい購読して止めたのは、特集記事が大体一巡して、面白くなくなったから。かさばるしね。
さて昨日ネット情報で見て小躍りしたのが、1979年のスイング・ジャーナルの付録の冊子(だそうだ)。カイエやユリイカに掲載されたECMレコードについての短いエセーをまとめたもの。レコード媒体のなかに缶詰になった「ECMという空気」が良く伝わる、素晴らしいもの。
当時のスイング・ジャーナルの付録では、ブルーノートの解説冊子は今でも持っている。だけど、ECMのそれは記憶にない。たぶん、梅雨より前、ではなかろうか。そんなことも、つらつら考えることも楽しい。
ECM Galleryというページにまとまっています。