K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

工藤和彦 うつわ展@花のアトリエこすもす


 古来、日本人の感性の中で動植物とヒトとの垣根は随分と低く、森羅万象のなかで、ともに静物としての有り様が認識されているという。だから植物にしても、ヒトと同等の存在として扱われていて、だから、ハナ:花:鼻、メ:芽:眼、ハ: 葉:葉、ミ:実:身など、対応する音韻にも事欠かないようだ。

 だから、そんな植物たちに対する始原的な、ラディカルな感性がふっと感じられること、が、この花たちをみているとある。何かを企んでいる、という気配が、金沢の古い町家のなかに充溢している。そのような気配、を包み込む器たちも、作り手の快活な雰囲気と裏腹に、少しイケナイ何かを花達に与えているように思えてならない。

 

参考:上垣外憲一:花と山水の文化誌