K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Brad Mehldau: After Bach (2018) バッハとの比較なんだから

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今日、所用で金沢市内をクルマで走りながら聴いていた。先日、ライヒのアルバムなどと同時にNonesuchのショップサイトからDLしたもの。結構安価で嬉しい。

ボクは基本的にメルドーのジャズにはピンとこない。特にトリオ。いつだったかニューヨークで聴いたクリスチャン・マックブライドとのデュオも面白くなかった。

一方、編曲モノ(Largo, Highway rider)はまあまあ、マーク・ジュリアナとのユニットは結構好み。またソロも粒だったピアノの響きは美しいし、何よりキース・ジャレットのような自己陶酔形じゃなくので、低い音調で聴くにはいい。あるいはケヴィン・ヘイズとの現代曲的なデュオも、彼のピアノの美しさを際立たせていたと思う。

このアルバムもそうだと思った、綺麗な音だし、よいなあ、と思った、最初は。

しかし、今回のテーマであるバッハの曲を聴くと、しんどくなった。バッハの曲はまずまず良く弾けている、と思う。彼のピアノの良さ、が出ている。しかし、一旦、バッハの曲を聴いて、メルドーの曲を聴くと、似て非なる部分に意識がいってしまう。音と音の間の揺らぎ、のようなものが拡大されてしまうのだ。だから、字余りのような居心地の悪さ、が気になって仕方がない。弾き方、もあるだろうし、曲の完成度の低さ(もちろんバッハ曲と比べて)もあるのだろう。

改めてバッハの偉大さに感じいったのであるが、まさかにも異質感をこんなに感じると思わなかったなあ。ブラッド曲だけを集めると良いアルバムだと思うのだけど。音の作り込みが、極端に違うのだ。

当たり前のことを、当たり前に感じた、だけだと思う。バッハの作曲との比較なんだから。

AFTER BACH

AFTER BACH

 

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Brad Mehldau: After Bach (2018, Nonesuch)
1. Before Bach: Benediction
2. The Well-Tempered Clavier Book I, BWV 848: Prelude No. 3 in C# Major
3. After Bach: Rondo
4. The Well-Tempered Clavier Book II, BWV 870: Prelude No. 1 in C Major
5. After Bach: Pastorale
6. The Well-Tempered Clavier Book I, BWV 855: Prelude No. 10 in E Minor
7. After Bach: Flux
8. The Well-Tempered Clavier Book I, BWV 857: Prelude and Fugue No. 12 in F Minor
9. After Bach: Dream
10. The Well-Tempered Clavier Book II, BWV 885: Fugue No. 16 in G Minor
11. After Bach: Ostinato
12. Prayer for Healing
Brad Mehldau(p)