寺下誠: Ihatov (1996) 懐かしいLPレコードの音

溢れたレコ−ドを棚に押し込める途中で見つけた。いつ買ったか思い出せない。聴いてもいない。ありゃー、である。重複盤を買ったり、未聴盤だらけだったり、困ったものだ。ということで、早速聴いてみる。180gのLPレコード。

 寺下誠を知ったのはグロスマンとの凄まじいライヴ。それが決定的な1枚。このアルバムでは、そんな激しさはなく、ジャズクラブで聴かせるような中庸な演奏。その意味では期待とは異なるのだけど、何回か聴くとじわっと味が浸みるような演奏。真ん中くらいの、早くもゆっくりでもない演奏が続いていく。ゆっくりと聴きたい音。

録音は神成芳彦氏で、マスターはアナログテープ。とても懐かしい音で1970年代の日本のジャズ録音の典型的な音のように思える。音圧も十分で、間近にピアノの音が聴こえる。やや攻めがない、丸い録音であるのが、残念な感じもする。グロスマンとの演奏での鋭角的な音で魅了させたピアノ奏者なのだから。円熟した音は期待していなかった、のだ。

ライヴ・アット・ザ・サムデイ Volume. 1

イーハトーヴ [Analog]

イーハトーブ

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寺下誠: Ihatov (1996, Tokyo Sound City)
A1. Have You Met Miss Jones?
A2. Very Hip Rock’n Roll Tune
A3. Trinkle Tinkle
B1. Ihatov
B2. Don’t Blame Me
B3. Stable Mates
寺下誠(p), 山下弘治(b)、田鹿雅裕(ds)
録音：神成芳彦
1996年8月11日 朝霞市民会館