K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jack Wilkins: Opal / Captain Blued (1983) 密かに愛聴してもいいかな、という何かは

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2つのアルバム。ボクの下手な写真で髪の毛の色が違って見えるが、ウィルキンスの肖像を割って、2つのアルバムにしている、凝った作りだ。

昨日の仙台のレコード屋でみかけて、何となく購入。

完璧に地味な存在なのだけど、何故かほんの少しだけ記憶の片隅に残り続けているギター奏者。40年前にブレッカー兄弟とのアルバムで知って、当時のメセニーと通底する清新な空気に魅了されたのだ。つい先日もデビューアルバムの再発を購入して、その感覚を再確認した。

このアルバムはクリード・テイラーCTIが破産(1978年)後、日本のキングレコードのもとで制作された2枚のアルバム。1983年頃はボクも熱心に聴いていた頃だが、話題になった記憶はあまりない。同じ流れのFuse oneなんかと違って。やはり地味だったのかな、と思う。その後、この2枚がまとまりCDとして再発されている。

さて、このアルバムだけど、素晴らしいと大声を出す、そんなものでもなくて、ふっと流れてきたら「誰かな?」と少し気になる程度である。中級ランクの上、そんな感じ。デビュー盤から変わらず、1960年代のコリアが作りだした「清新な風」のようなものを纏っている、そんな魅力。

しかし、時は1980年代前半。当時既に過去を振り返ったような感じ、なのだ。また録音がRVG。当時、レコード会社がRVGのスタジオを売りにした幾つかの録音を出していたが、聴いても往年の輝きはない。伸びやかなダイナミックレンジを生かした録音ではなく、相変わらず中音域にまとめたイコライズで、パワーよりも鮮度に足りなさ、に耳がいってしまう。

それが内容の1960年代末風味と相まり、残念な感じもあるのだ。

しかし、密かに愛聴してもいいかな、という何かはある。だから21世紀も1/5ほど過ぎようとしている今も、気になる名前ではあるのだ。そうだよね、toshiyaさん。

Mexico

Mexico

 

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Jack Wilkins: Opal (1983, CTI)
A1. Opal
A2. O Grande Amor
A3. My Foolish Heart
A4. Jamba
B1. You Must Believe In Spring
B2. 7th Variation On A Catalan Folk Song, Opus 25
B3. Emily
B4. Captain Marvel
B5. Streets Of Rio

Jack Wilkins: Captain Blued(1983, CTI)
A1. Captain Blued
A2. Mexico
A3. Funny Blues
B1. Dailey Double
B2 Chopin Etude
B3 Some Time Ago

Jack Wilkins(g), Albert Dailey(p), Phil Woods(as), Harvie Swartz(b), Akira Tana(ds), Ted Moore(perc)
Producer: Creed Taylor
Recorded by Rudy Van Gelder