K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Wayne Shorter: Introducing Wayne Shorter (1959) 薄味のアルバム

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 ジャズを聴きはじめた40年前、気に入った奏者は何人か居たのだが、その一人がウェイン・ショーターミルトン・ナシメントとのNative Dancerにやられた、のだ、

勿論、ミルトンから拓けたMPBへの路が素晴らしいものであった訳だけど、同時にショーターのソプラノの響きに魅了された。そんな気持ちで、当時、絶頂期だったウェザー・リポートを聴くと、Black Marketでのショーターの曲やテナーのソロが良かった。曲に惹きつける旋律(時期により香料は違うが)や構成があり、管の響きが美しい。

 そのショーターが昨年新譜を出したのには驚いた。最初のレコードIntroducing Wayne Shorter から60年だ。少し気になったので存命の高齢奏者を列記してみる。

  • Roy Haynes (born March 13, 1925) さすがに最近は動静を聞かないような
  • Lee Konitz (born October 13, 1927) この人は現役。信じがたい。
  • Jimmy Cobb (born January 20, 1929) 近年アルバムを連発
  • André Previn (born ; April 6, 1929 – February 28, 2019) 先日逝去
  • 秋吉敏子 (Born 12 December 1929) 現役
  • Annie Ross (born 25 July 1930) 数年前、ヘンドリックスとのライヴ告知が
  • Sonny Rollins (born September 7, 1930) 最近は動静を聞かない
  • Wayne Shorter (born August 25, 1933) 現役
  • 渡辺 貞夫 (born February 1, 1933) 現役

最近、金沢でライヴを行った渡辺貞夫と同じ歳。そうか、有り得ない話ではないね。

 そんな訳で何となくショーターのアルバムのなかで、実は未聴だったVee Jayの3枚を聴いてみようかと思った。マイルス・バンド加入より前のショーターにはあまり興味がなかったのだ。

 ショーターの最初のアルバムがIntroducing Wayne Shorterで1959年。当時のマイルス・バンドにリー・モーガンを加えて、なので豪華。一曲を除き、ショーターの曲で意欲作。

 しかし、まだ曲は薄味で後年の筋が通った香料、のようなものはない。また楽器も同じく薄味で印象は強くない。一番良かったのはMack The Knifeかな。当時のハード・バップらしい楽しさ、がある。

追記:

Vee Jayのあと2枚は、曲や演奏がショーターそのもので、グッと楽しめる。

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Wayne Shorter: Introducing Wayne Shorter (1959, Vee Jay Records)
A1. Blues A La Carte (Wayne Shorter)
A2. Harry's Last Stand
A3. Down In The Depths
B1. Pug Nose
B2. Black Diamond
B3. Mack The Knife (Weill, Blitzstein)
Wayne Shorter(ts), Lee Morgan(tp), Wynton Kelly(p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb(ds)
Recorded At Bell Sound Studios, New York City, November 10, 1959.