K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Miles Davis: Miles In Berlin (1964) 気になっていたモノラル盤

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 ブレイのついでに、気になっていたモノラル盤を聴く。随分前に購入していたが、ちゃんと聴いていなかった。このベルリンのライヴは独CBSがオリジナルでモノラルマスターから疑似ステレオ。それをモノラルで再マスタリングしたもの。全てアナログ機器でマスタリングを行ったそうだ。そのためか分からないが、とても柔らかい自然な音。誇張がない。音圧は強く、モノラルの魅力そのもの。

実はショーター加入後のマイルス・バンドはほとんど聴かない。熱狂が去って、単純なドライヴ感からもっと凝った曲を聴かされる、そんな感じが好みでなかった。だからコールマンのグリグリした単純な押し、のようなものが好きだった。Fore and moreあたりまで。その後は1969年あたりの欧州ツアーまで飛ぶ。

このアルバムを聴くと、そう思った40年近く前の印象が蘇る。ショーターのソロの後、バンドの空気が一変する。盛り上げずに内省的な感じに音をすぼめていくショーターのソロ。それに同期し、ハンコックの打鍵が疎になって、ドライヴに向いていたヴェクトルが空間構築的な音を探るような印象に。そんな様子を愉しむことができた。面白い。

でも、どっちが好きか、というと矢張りショーター以前かなあ。

MILES IN BERLIN [LP] (180 GRAM) [12 inch Analog]

MILES IN BERLIN [LP] (180 GRAM) [12 inch Analog]

 

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Miles Davis: Miles In Berlin (1964, CBS/Speakers Corner Records)
A1. Milestones (M. Davis) 7:56
A2. Autumn Leaves (J. Prévert, J. Kosma) 12:46
B1. So What (M. Davis) 10:38
B2. Walkin' (R. Carpenter) 10:36
B3. Theme (M. Davis) 1:48
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)
This Speakers Corner LP was remastered using pure analogue components only, from the master tapes through to the cutting head. All royalties and mechanical rights have been paid.
Recording: September 1964 live at Philharmonic Hall, Berlin, by SFB Radio in MONO
Production: Rudy Wolpert