Miles Davis: Someday my prince will come(いつか王子様が)が4枚。
左上:ステレオ盤(6eyeと称されるオリジナル,60年代初期)
右上:モノラル盤(6eyeと称されるオリジナル,60年代初期)
左下:1979年頃に買った再発盤
右下:オヤジの遺品で80年代後半のディジタル・リマスター
これは6eyeのレーベル。1960年代の初頭まで使われていた。
古いLPレコードの音を再び聴きたくなった。亡父の古いMcIntoshの増幅器でJBLのスピーカー、6eyeのColumbia盤。マイルス・デイヴィスの1961年吹き込み。
今朝、先日購入した柳樂マイルス本を読んでいたのだけど,1970年代前半のCBSソニー関係者の話がとても面白かった。20代の彼らの仕事の凄さ。菊地雅章のSustoの編集、ヴィトウスのPurple、ピーコックのEastward、日本の音楽産業に金が溢れ、それを闊達に使う若い才能。
で、マイルスを久々に聴きたくなったが、1970年代ではなく、何故かコレ。1960年代のコロンビア盤は録音が良く、演奏空間が眼前に広がる。通常はモノラル盤の方が高い音圧で迫力を楽しめるのだけど、この盤はステレオ盤の空間が捨てがたい。
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[2013-09-07記事] 古いLPレコードの音
今夜、欲しかったオリジナル盤(ステレオ)が到着。既にモノラル盤を持っていたのだけど、ステレオでの定位感を聴いてみたかった。レコードをターンテーブルに置いてから1時間以上、裏表2回づつ聴いて、とても満足。左手から聴こえるケリーのピアノ、真中から響くチェンバースのベース。とても明瞭で美しい音。期待とともにマイルスのミュートプレイがはじまる。
某レコード店の店主に教えて貰ったとおり、素晴らしい音。マスターテープからプレスまでの複雑な工程のなかに、幾つか音が変わる要素(イコライズ)があり、また年月によるマスターテープの劣化もあり、録音意図・意志を持った制作者がコントロールした、オリジナルに近い盤ほど「音の鮮度」が高いことを改めて実感した。CDを含め、後年の音源では心なしか中音域の密度が低いような感覚がある。だからピアノの線が細い。ガツンとした、タッチや響きは伝わらない。
いまのところ、この時期のマイルスと、エヴァンス、ドルフィーの盤を追いかけているが、大きな満足とともに、大分と古LPレコード熱は鎮火中かなあと期待している。
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Miles Davis: Someday my prince will come (1961, Columbia)
A1. Someday My Prince Will Come
A2. Old Folks
A3. Pfrancing
B1. Drad Dog
B2. Teo
B3. I Thought About You
Miles Davis(tp), Hank Mobley(ts except B2), John Coltrane(ts on A1, B2), Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Jimmy Cobb(ds)
Photograph: Vernon Smith
Photograph [Cover] : Bob Cato
Producer – Teo Macero