K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Han Bennink: BBG

Han Bennink: BBG (2004-2005, Favorite)
1. Oblivion 6:11
2. Jambition 3:43
3. The 8th Day 7:17
4. Somewhere Over The Rainbow 1:33
5. Well You Needn't 4:59
6. Wat Zeg Je Gerda 9:50
7. Slow Blues 4:51
8. Un Poco Loco 3:57
9. Blues On The Corner 7:55
10. www.bbgtrio.nl 4:33
Han Bennink(ds), Ernst Glerum(b), Michiel Borstlap(p)
Recorded live at Paard Van Troje, The Hague, February 2005(1-9)
Recorded at Bimhuis 2004 (10)

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今一番、気持ちに合うのはこんな音楽。痒いところを掻きむしるような、嫌らしさ。ベニンクの音の変化が気持ち良すぎて、嫌らしい。

ボルストラップのピアノも強靱なタッチで、ベニンクの打音とよく対を為している。 

こんな音が好きで、ダラダラ音を買い続けているように思えてきた。

 

[2015-06-08] 暴力的なドライヴの快感(ドルフィー、モンクそしてベニンク)

 「調和した音世界と紙一重の狂気、のような怖さ、が快感につながるからドルフィーは好きだ。先日の「in Europe」の記事で書いた。モンクの音も、このような心象を与える音楽であり、手が届かいところが痒くなる気持ち悪さ、のような、でも快感に近いような、すこぶるダメな音じゃないか、と思っている。

 やはりヘンな音が好きな友人と、ドルフィーとかモンクとか聴こうと思っているのだけど、そうそう、変態的な快感に満ちた音って、ドルフィーのLast Dateに入っているミシャ・メンゲルベルクとかハン・ベニンクら、ICP一派もそうじゃないかと思う。

 ここ10年のベニンクやメンゲルベルクの音って、そんな変態的な快感指数が高い。オランダとかベルギーって小国だから可愛らしいという誤解があるかもしれないが、歴史を見ると存外に暴力的で、また北方ゲルマン系の体躯も相まって、怖い感じもする。特にベニンクの音にはそんなロバストな印象が強い。だから、暴力的なドライヴの快感、にやられてしまう。

 このベニンクのピアノ・トリオもそう。ボルストラップの強いタッチのピアノを引っ張るドラムスの過小な音でのドライヴが強烈。過小、というのは音そのもの。ブラシで撫でるタムだけ、とかスティックで叩く床とか。このアルバムに付属するDVDでベニンクを堪能できる。そんなフザケタような演奏が、イケるのである。

 だから確かにLast Dateの魅力はドルフィーなんだけど、彼だけじゃないって、はっきり思う