Keith Jarrett: Birth (1971) キースの多楽器傾向

Keith Jarrett: Birth (1971, Atlantic)
A1. Birth 6:15
A2. Mortgage On My Soul (Wah-Wah) 5:39
A3. Spirit 8:40
B1. Markings 0:35
B2. Forget Your Memories (And They'll Remember You) 7:00
B3. Remorse 11:24
Keith Jarrett(p, banjo,recoder, ss, steel ds, voice), Dewey Redman (ts, cl, perc), Charlie Hade(b, steel ds), Paul Motian(ds, perc)
Producer: George Avakian
Recorded Atlantic Recording Studios, NYC, July 15-16, 1971
日本盤を保有

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キース・ジャレット・トリオにレッドマンが加入した、所謂American Quartetの最初のアルバム。トリオ期の後半はキースがソプラノ・サックスを吹く程度だった「多楽器傾向」は一気に強まっている。

一曲目だけは美しいピアノとサックスのデュオから始まるが、あとはかなり混沌。その混沌が嫌で、ECMの同Quartetの２アルバム以外は嫌だったな。今はAEOCと同じ土俵を目指したかのように見えるキース・ジャレットが微笑ましい。彼なりのbeyond-freeの取り組みは面白いし、愉しい。

しかし1970年代後半に聴いて、その印象が沸かなかった。中途半端、でもあるからなあ。そこが嫌になった理由だったのだろうな。今は、当時の彼が行きたかった多様な表現への共感と、今の彼がECMという狭い檻のなかに居ることへの哀感、なのだ。

 まあAmerican Quartetの良さに感じ入ると、ECMがそのように見えちゃうんだよね。勿論、彼の多楽器アルバムを出しているのを知っていて、書いているのだけど。