K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

McCoy Tyner: Today And Tomorrow (1963-64) 漬かり過ぎた漬物のようだけど

Primary
McCoy Tyner: Today And Tomorrow (1963-64, Impulse!)
A1. Contemporary Focus (McCoy Tyner) 8:27
A2. Night In Tunisia (Dizzy Gillespie, Frank Paparelli) 5:07
A3. T 'N A Blues (Thad Jones) 4:04
B1. Autumn Leaves (J. Prevert, J. Mercer, J. Kosma) 6:02
B2. Three Flowers (McCoy Tyner) 10:07
B3. When Sunny Gets Blue (Jack Segal, Marvin Fischer) 4:40
[A1, A3, B2] recorded on 4 June, 1963
McCoy Tyner(p), Thad Jones(tp), John Gilmore(ts), Frank Strozier(as), Butch Warren(b), Elvin Jones(ds)                    
[A2, B1, B3] recorded on 4 February, 1964
McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Tootie Heath(ds)
Engineer: Rudy Van Gelder
Producer: Bob Thiele

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Rudy Van Gelder(RVG)の音(特にBlue Note)は、漬かり過ぎた漬物のようなもので、鮮度という観点では元の姿を喚起しないくらい別物。しかし、酒を片手につまむと、匂いというよりも臭いの強さや、癖の強い味わいにハマってしまう。特にRVGのピアノの音は嫌いなのだけど、つい聴いてしまう何か、がある。

昨今のレコードブームで、RVGが録音した有名レーベルの中古レコードは高騰しているのは残念。オリジナル盤には手が出ない。そうなる前からではあるが、割と安価なsecond/thirdプレスのRVG刻印で済ませ、それなりには楽しんでいる。耳の解像度が致命的に落ちているので、まあ十分なのだ。

そんな訳で、RVG刻印のマッコイ・タイナーのレコードを緩く蒐めている。Impulse!, Blue Note時代。Milestone以降はどうも響かない。このアルバムは1970年代初頭、abc傘下となったImpulse!でのプレス。安価ではあるが、ジャケットの仕上がりはオリジナルに準じ、RVG刻印あり、でお買い得だと思っている。これでImpulse!時代はRVG刻印(ほとんどABC時代)は揃った。

演奏は2つのセッションから成り立っている。3管が入って、エルビン・ジョーンズが叩く6tetと、アルバートが叩くtrioが半分づつ。どちらも好みで楽しいアルバム。またピアノは定番の古漬けのような典型的なRVG音響。全く好みでないけど、こうでなきゃ、と思わせる音。

6tetの演奏では、やはりエルヴィン・ジョーンズのヴァイタルな打音に惹き込まれる。この時代のマッコイ・タイナーは様々な音を出していて、定番のアレでは固まっていない。BN4000番台的な演奏が好きなんだな、と思う。trioの演奏ではアルバート・ヒースの軽快なブラッシングが気持ち良い。Impulse!時代を通して変わらぬ中量級だが軽快なピアノのドライヴ感が素晴らしく、大いに好み。このドライヴ感の音色はRVGじゃないと、とも思ったりするのだ。

 

 

トゥデイ・アンド・トゥモロウ

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