K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Miles Davis: On The Corner(1972) ずばり今、聴きたい音

Primary

Miles Davis: On The Corner(1972, Columbia)
A1. On The Corner. (Miles Davis) 2:58
A2. New York Girl. (Miles Davis) 1:32
A3. Thinkin' One Thing And Doin' Another. (Miles Davis) 6:45
A4. Vote For Miles. (Miles Davis) 8:45
A5. Black Satin. (Miles Davis) 5:16
B1. One And One. (Miles Davis) 6:09
B2. Helen Butte. (Miles Davis) 16:06
B3. Mr. Freedom X. (Miles Davis) 7:13
Miles Davis(tp), Bennie Maupin (b-cl on A2), Carlos Garnett (ss, ts on A2, B1, B2), Dave Liebman (ss on A1)Chick Corea, Herbie Hancock, Harold I. Williams(key), David Creamer (g on  A2, B1, B2), John McLaughlin (on A1), Collin Walcott (Sitar on A1, B1, B2), Khalil Balakrishna (Sitar on A2)Michael Henderson(b), Al Foster, Billy Hart, Jack De Johnette(ds), James Mtume(perc),  Badal Roy(tabla), Paul Buckmaster(arr)
Engineer: Russ Payne, Stan Tonkel
Producer : Teo Macero
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最近は楽しめる音源のピックアップに苦しむ感じが嫌で、なかなか音を聴くことができないことが多い。困ったことだ。フィットする音が日々移ろうので困る。

とは思いながらも、整った音、よりも気分で聴こえ方が変わる、というか、輪郭がグレーで、気分で好きなように捉えられる、そんな音源に惹かれれているような気がする。そんな気付きがあったので、ターン・テーブルに載せてみる。手元にあるのはCBSソニー盤。ビッチェス・ブリューからアガルタまではプレスを気にしていない。個別の楽器の響き、を聴いている訳じゃないから。

ずばり今、聴きたい音。サックスの音、どころかマイルスのトランペットの音すら耳の奥に届かない。グルーヴの塊のようなもの、がムニャっと頭に入ってくる。これが良い。楽器の音が融解していて、マイケル・ヘンダーソンのミニマルな繰り返しとエムトゥーメの色彩豊かな打音を核に、纏わりついている。

このアルバムの混沌さ、が全く好みでなかった筈で、このアルバムの無駄な音を削ぎ落としたようなアガルタ、あたりのライヴ盤が好きだった、筈。なのだけど、実はアガルタあたりの美味しさの素が、無造作にぶちまけられている、ことに驚いてしまった。聴き直してみるものだ。このグルーヴ感・色彩感をライヴで実現したのが、アガルタ、だったのだ。

 

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