K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Undercurrent ( Mobile fidelity sound lab盤) 好みの音で再発(購入すべき1枚)

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名古屋出張中に,この広告を読んで,つい手を出してしまった。ベルリンから帰って来たら、届いていた:

この広告の下記文面に好奇心が高まった、という訳:

ちなみにヴィニールの材質が悪いといわれるオリジナル盤は見た目綺麗でもチリパチノイズが入ることで有名ですが、、、ということは今最も良い音で聴ける(ノイズ無し)ソフトは、このモービル・アナログ盤が一番ということになるのではないでしょうか。そういう意味でも廃盤コレクターの方にも是非オススメいたします!

このアルバム、そもそもは1980年頃のキングレコードから発売されたUA盤の音の悪さが強い印象を残していて、その後入手したCDでも変わらずであった。

10年くらい前、エヴァンスのレコードの蒐集をはじめ、オリジナルあるいはオリジナルに準ずるものを、ある程度入手した。Riverside盤の音の鮮度と音圧向上には驚いたが、それよりもUA盤オリジナルの音の良さにはタマゲタ:

特にホールのギターのカッティングのキレに痺れてしまった。同時に低音の唸っているようなテープ雑音も気になるのだけど。後年のアルバムでは、これは無くなっているのだが、音の鮮度も大きく落としている。

その後、ディジタル音源でも東芝からの最初期のCDがテープからのフラット・トランスファーで良い、との嶋護さんの本にあり、LP同様、鮮度の良さと低音のテープ雑音の組み合わせだが、概ね気分の良い音が楽しめることを確認した。

このCDは入手難であるのだが、以下のHigh resolution音源もほぼ同様の音。当然なんだけど、もともとダイナミックレンジが限られた録音だからHigh resolutionのご利益はない。

さて。今回のMobile fidelity sound lab盤であるが、フラット・トランスファーされたディジタル音源を誇張せずカッティングしたようで、オリジナルに準じる音で実に良い。そして、盤の劣化がなく、現代のプレスなので、ノイズは随分少ない。聴きやすいし、鮮度はやや劣るが、かなりイケている。好みの音。この5500円はCP最高。入手すべき盤であると思う。