K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: TOKYO 1976 & MORE (1976) 実に美しいBoot盤

Bill Evans ビル・エヴァンス/Tokyo,Japan 1976 & more

Bill Evans: TOKYO 1976 & MORE (1976)
1. Quiet Now
2. Sareen Jurer
3. Turn Out The Star
4. Sugar Plum
5. Up With The Lark
6. Minha(All Mine)
7. T.T.T.T.
8. Wailtz for Debby
Bill Evans (p), Eddie Gomez (b), Eliot Zigmund (ds)
January, 1976.
9. Lucky To Be Me
10. My Foolish Heart
11. When In Rome
12. Some Other Time
13. A Child Is Born
14. Make Someone Happy
15. We'll Be Together Again
Tony Bennett (vo), Bill Evans (p)
1976, Canada
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あちこちのBoot音源屋から出ている珍しくもない音源のようだ。Bootはキリがないので手を出さないようにしているが、ふと魔が差すこともある。エヴァンスの発掘音源を数年買い続けているが、特にresonance盤なんかの音質は聴くに耐えないこと、もある。ショボい音質の音源を無理にCD企画までイコライズするからだ。そんなストレスを感じ続けているように思う。だからBoot屋の「最高音質」「オープンリール音源」などの惹句に、魔が差してしまうのだ。

 今回買ったBoot音源は2つ。一つはマーク・ジョンソンの代打になんとチャック・イスラエルが入った1977年の演奏、もうひとつは1977年の来日時に東京のスタジオでのライヴ。非公開のもの。前者は録音はそれなりだけど、変なイコライズはないので聴きやすい。後者は公式盤並、いや以上の美録音。実に美しくエヴァンスのピアニズムが収められている。

最晩年のライヴはとても早い演奏が多く、スリリングではあるが、本来持っていた優美なピアノの響きを損なっている印象もある。この演奏はそのような気忙しいエヴァンス?になる直前のようだ。幾分早いが、スリル過多、では全くない。トリオの楽器すべてがバランス良く配置され、寸分もストレスはない。
そんな訳で昨日から何回も何回も聴いている。沢山の音源を聴いている筈なんだけど、ライヴに出かける感覚で新たな音源に手が出るのだ。

それにしても、モンクやエヴァンスの音源って、どれも似たようなものであるが、つい手を出してしまう。そうであっても後悔しない音の体験が得られる、という驚きが毎回待っているように思う。