K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

友人事務所での飲み会でのプレイリスト(ソロ・ピアノ)

友人事務所での飲み会でのプレイリスト

角の上にて - playlist by K’s Jazz Days | Spotify

(1)Keith Jarrett
加藤さんが好きなピアノ・ソロということでケルン・コンサートから。完全な即興ということだが、そこは昔から物議がある。数々のソロがあるが、個人的な好みは後年のアンコール。美しい逸品が多い。パリのアンコールが一番好きかな。またカーネギーの熱狂のなかでの2曲、マイ・ソングの冒頭で観客が息を呑む、その瞬間が好きだ(昔、マイ・ソングで感極まって?泣いたお方が居たかと)。最後は、精神的不調のあとのスタンダード集。
(2)Jelly Roll Morton
20世紀初頭、最初期のジャズ(という概念があったかどいうか)のピアニスト。ニューオリンズ出身。
(3)Art Tatum
モダンジャズ以前(WW2前)のジャズ・ピアノの最高峰。ホロヴィッツに驚嘆されたピアニストと書かれていtの読んで、クラシックに対する卑下のようで嫌な感じを受けたが、ホロヴィッツの録音を聴いてから、その別格感から「嫌な感じ」は消失した。凄すぎるホロヴィッツも褒めた凄いジャズ・ピアニストとの理解に。
(4)Mary Lou Williamms
やはりモダンジャズ以前(WW2前)の女性ジャズ・ピアニスト。グルーヴ感が強い左手。活動はモダン期まで包含しているが、後年はどんなスタイルだったのだろうか。聴いてみなくちゃ。
(5)Thelonious Monk
孤高のピアニスト。晩年まで変わらぬスタイル。モダンジャズの最初期からアヴァンな香りを放っている。作曲、奏法含め、one and onlyの存在。影響は前衛ジャズに及ぶ。
(6)Andrew Hill
モンク直系の影響を感じさせる第一の奏者。Spotifyで見つけたソロはこれだけ。間合いが、キース・ジャレットへの接続を想起させたり面白い。カスクーナのMosaicから出ていたソロ集は良かったな。あれは原盤は何処だったのだろうか。
(6)Bill Evans
初期のEiversideでのソロは未発表だった、ことを納得させる陰影が強すぎる演奏。ラファロの死、故にと云われるがどうだろう(金沢のラファロの主も亡くなったそうですね、関係ないけど)。後年のAlone, Alone againは好み。
(7)Rene Urtreger
フランスを代表するピアニスト。マイルスとの「死刑台のエレベータ」の奏者、として知られる。まだ存命じゃなかったかな。欧州らしい華麗さ、が案外好き。
(8)Denny Zeitlin
精神科医兼ジャズ・ピアニスト。初期のビル・エヴァンスを乗り越えるようなトリオでの演奏が大好き。ソロを見つけるのは苦労。
(9)Ran Blake
歌手ジーン・リーとのデュエットが素晴らしい奏者。ここではESPからのデビュー作。ザイトリンよりも前衛色が強いが破綻の手前で止まっている。
(10) Paul Bley
キース・ジャレット以上に自己陶酔が強いピアノに痺れる。分かれたパートナー(カーラ・ブレイ、アネット・ピーコックら才女)の曲を取りあげたアルバムを晩年まで作るところに、余人の及ばぬ心性がある。
(11)Chick Corea
彼の死がある時代の終わり、を感じさせた。同時代の死が迫っている、というか。初期のECMでのソロ集は好きだなあ。後年の外連味がなくて。
(12)菊地雅章
モンクの強い影響化下にある打鍵が実に美しい。音を出すまでの思惟が苦痛のようなうめき声に。キース並。
(13)佐藤允彦
才人。菊地と対照的に流麗な美音が80歳を超えた今でも健在、が驚き。
(14)山下洋輔
多分、菊地雅章ほど美音でもないし、佐藤允彦ほど流麗でもない。朴訥としたピアノなのだ。だからこそ、あのスタイルまでの道のりは平坦でなく、そこまで考えた彼の頭の良さ、がるのだと思っている。カキ君に誘われてガーシュウィンの曲を聴きに行ったが、1970年代の輝きはなかったなあ。1979年に関テレ横のインタープレイハチで聞いたトリオが最高の思い出。昂奮したなあ。
(15)Michel Petrucciani
早逝した同世代人。ロイドと登場したライヴ盤は衝撃。初期のOWL盤が好きだな。案外ソロは聴いていないし、印象がないかな。
(16)Fred Hersch
近年の奏者でピアノソロはハーシュ。HIVであの世へ行きかけた後、東京で聴いた。ライヴ後に話をしたが、力強く、また来る、と云ったのが印象的で、その後も精力的。ソロは名作揃い。モンク集からはじめて、ECMからの最新作で締める。