K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chick Corea: Now He Sings, Now He Sobs (1968) Tone Poetで聴くと(Kevin Grayのremastering)

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Chick Corea: Now He Sings, Now He Sobs (1968, Solid State Records)
A1. Steps - What Was 13:53
A2. Matrix 6:29
B1. Now He Sings - Now He Sobs 7:05
B2. Now He Beats The Drum - Now He Stops 10:40
B3. The Law Of Falling And Catching Up 2:28
Chick Corea(p), Miroslav Vitous(b), Roy Haynes (ds)
Producer: Sonny Lester

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[追記]

改めてSS盤と聴き比べると、Kevin Gray盤とオリジナルの音が結構違うことに気がついた。音圧、高音はSS盤に近しい。むしろ中音域が厚くなり、微妙にBN感を出している。ピアノが綺麗に鳴っているので、そんなにBNではないのだけど。比べてみると不思議な感じ。

SS盤、UA盤、キング盤、Tone poet盤。なんのことやら。。。。。

今朝、届いた。とにかく良い。高音の自然な強調、多分この50年の音響装置の進化を織り込んだ、が効果を奏し、高い音圧とともに迫ってくる。ちょっと疲れるかな、って音だけど、見違えるような新鮮な音。21世紀の音になって蘇った。

[2012-2-12]清新な風を

訃報を受けて、今朝、改めて聴き直した。エヴァンスの1970年代のアルバムとともに、コリアのこのアルバムも、現代ジャズへとつながるピアノ・トリオなのだろう。半世紀を越える時間の間隙を全く感じさせなく、(きっと)1968年と同じようにスピーカの前に清新な風を吹き込んでいるのだろう。

 

[2021-01-20] どうもフォノ・イコライザの効果のようだ

今まで、キング盤、そしてUA盤で聴いていたのだけど、オリジナルのSS盤を入手。安価な1枚。針を下ろすと、弾ける打鍵、軽快なシンバルワーク、重厚でかつ軽妙なベース、が眼前で響く。いいアルバムとしみじみ。確かに、良い音だ。

キング盤はよく言えば柔らかい音、日本盤固有の膜が張ったような感覚。UA盤ではかなり音圧が強く、膜が取れた音。でもちょっとキツいかな。

SS盤のマトリクスをみるとUA盤と同じような気がするが、やや落ち着いたバランスが良い音のように感じる。微妙な差異。

針を下ろしたときの胸の高まり(ち、違う的な)は、UA盤との違い、というよりは、どうも昨年導入したフォノ・イコライザの効果のようだ。

SS盤:

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[2020-04-01] レコード2枚組みで再発してくれないかな

なんとなく好きなアルバムの棚卸しになっている。愉しい。やはり1980年前後に聴いたものが最初に来るなあ。これも、そんなアルバム。

コリアに魅力もそうでない点も甘い旋律にあると思う。このアルバムやRTFのように微かに匂うと美味しい。ARCのように辛さ一辺倒になると、ちょっと寂しい。My Spanishまでいくと米国のデザートのようで胃にもたれる。

ゲッツのSweet rainからRTFあたりまでが、清新な風を送り込むような音に満足。

それにしてもレコードで聴いていると、冒頭のヘインズとヴィトウスの音が共鳴しているような錯覚。そこが凄く格好いいんだよな。

保有盤はオリジナルではないが、米盤。CDでもそうだがピアノの音に奥行きがないが、それを要しない演奏とも云える。パキパキした感じのキレの良さ、がやはり米盤。

後年のCD(2000年頃かなあ)で、ボーナストラックが沢山ついて嬉しかったが、曲順がデタラメ。しかしボーナストラックを聴いてみると、案外良い。モンクの曲をやっていて、それを余韻なしのパウエルっぽい感じで弾くから面白い。レコード2枚組みで再発してくれないかな、DUの塙さん、お願いします! 

 

[2018-01-05] この時期のコリアのピアノの惹き付けの強さ

 年末にボビー・ハッチャーソンのBN盤を聴いていたのだけど、実に好み。メンバーを見るとピアノがチック・コリア。1960年代から1970年代はじめのコリアのピアノは輝いている、と改めて思う。 

そこで手持ちの盤(1970年代中頃の米盤)を磨いて聴いてみたが、音質、演奏ともに満足いく、昂奮に満ちたジャズを楽しむことができた。別にRVGでも何でも無いが、十分なジャズ的音空間。本当に久しぶりだったので懐かしい気持ちで聴いた。

 スタイル的にはエヴァンスというより、パウエル的な早いパッセージが多いように思うが、それが高音を叩き続けるときの高揚感が気持ちよい。また、そのような演奏とうまく合った曲の雰囲気、今聴いても清新さ、を感じさせる。耽美的になりすぎず、また適当なスピードもあって楽しませる。

共演のヴィトウス、ヘインズも時代の先に走り出しそうなドライヴ感を叩き出している。40年前に「バードとも共演したバップ時代の古参」と紹介されていたヘインズだが、その後も時代とともに走り続けている訳で凄いヒトだ。

1980年前後まで、そのように感じさせる瞬間は多々あったのだけど、どうもその後は惹くものが乏しい。というか、この時期のコリアのピアノの惹き付けの強さ、がそう思わせるのかもしれない。その後の同メンバーの再会セッションには、この空気は全くなく、別モノなのだ。

 

ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス

ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス

 

 UA盤

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