K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金沢ジャズストリート:スガダイローを聴きに行ったex.KENTOS


昨夜は金沢ジャズストリートの一環で「夜ジャズ」と称し、片町ex.KENTOS(場所がサイコーに分かりにくい)で行われたライヴに出かけた。最近、名前を聴くことが多いスガダイローを聴くため。二部構成で第1部がチカシンガー。スガダイローは第2部。それぞれ1時間ほどの演奏で、21時スタートで23時過ぎまでやっていた。1時間ってどうなんだろうって思っていたけど、丁度の長さだった。

第1部:チカシンガー(vo)、鈴木和郎(p)、武田桂二(b)、小松伸之(ds)

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[金沢ジャズストリートのwebより] チカシンガー Vocal 
1961 年生まれ。大橋巨泉と母はマーサ三宅の次女。中学・高校時代はフォーク&ロックバンドで活動。1986年ジャズミュージシャン達とバンド「TITI- CACA」を結成し、アルバム『Cry』をリリース。同時に、DJ、イラストレーターとしても活躍。 1989年、来日中のトニー・ベネットに、その歌唱力を絶賛される。1990年、CD『So in Love』をリリース。第6回日本ジャズ・ボーカル賞新人賞を受賞。1994年、活躍の場を海外に広げ、ニューヨーク〜東京を往復する生活をしながら、音楽活動を展開。1997年、長男出産を期に「子供たちの為のチカ・チャリティーコンサート」を企画。2003年、アジア、アフリカ等5カ国の子供達へのチャリティーを実現させる。  

鈴木和郎 Piano 
谷村新司夏木マリ中島啓江雪村いづみ、マリーン、麻倉美稀、サーカス、石井聖子等、アーティストの音楽監督及びサポートを始め、NHK『ときめき夢サウンド』では準レギュラーとして編曲(コンボからオーケストラ)を提供。NHK主催による国際音楽祭等でもスティービー・ワンダーを始めとするアーティストのオーケストラアレンジも行い、ピアニストとして、アレンジャーとして幅広く活躍している。
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スタートは鈴木和郎トリオでWayne Shorterの曲でスタート。趣味がいいなあと思ったが、綺麗なピアノなんだけど引きが足りなくて、物足りない感じ。何となく終わったところで、チカシンガー登場。ボクはすっかり忘れていたが、チカシンガーという歌い手は大橋巨泉マーサ三宅の娘。だからボクと同じ世代。大昔はSwing Journalを読んでいたから、そんな記事があったことを思い出した。まだ、ちゃんとやってるんだ。ジャズスタンダードやイディ・ゴーメのボサノヴァのカヴァーなど、選曲の趣味よし。聴き所だったのは、鈴木和郎の歌伴。ツボを押さえまくり状態で、綺麗なピアノがしっかり引っ張っているが出過ぎず。とても気持ちが良かった。経歴をみると確かに本格派の歌伴って感じで、恐れ入りました。チカシンガーは声量少なめ、音域狭めの方で、何とかセンスでしのいでいる歌い手。だからイディ・ゴーメのカヴァーは良かったけど、ジャズ向きじゃないなあ、と思って聴いておりました。以上!

第2部:
スガダイロー(p)、東保光(b)、服部正嗣(ds)
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[金沢ジャズストリートのwebより]
スガダイロー Piano 
1974 年生まれ。学生時代、洗足学園ジャズコースの実技試験にて山下洋輔をアッと驚かし栄えある一期生として入学。その後バークリー音楽大学に4年間留学し帰国後は「渋さ知らズ」や「鈴木勲OMA SOUND」でも活躍。坂田明・小山彰太等と共演。若手主体のコンセプチュアル・フリー・アヴァンギャルド・バンド「REAL BLUE」のリーダー。その他「ok.hp」「リトル・ブルー」を率いて活動。 2008年、加藤真一とのデュオ・アルバム『ジャズ・テロリズム』、初のリーダーアルバムとなる『スガダイローの肖像』をリリース。2009年には自身のトリオでの初スタジオ録音となる『坂本龍馬の拳銃 〜須賀大郎短編集(上)〜』と『黒船・ビギニング 〜須賀大郎短編集(下)〜』をリリース。様々なアーティストとセッションを重ね日本各地に熱狂的ファンを増やし続けている。
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最近はライヴにも出かけていなかったし、ジャズ雑誌も買わないし、の情報鎖国が長かったので、新しいヒトを知ることもなかった。そんなボクでもポロポロ名前が聴こえていたスガダイローはとても気になっていた。従来型フリージャズの語り口からは随分変わっていて、巧いピアノを上手なアイデアで聴かせていく感じ。要はかなりエンタテイメントが入っているのである。と思ったら、「渋さ知らズ」の曲を2曲ばかりやっていて、経歴にもあるようにメンバーだったようである。音量が低めなのがとても気になったのだけど、結構、ちゃんと響かせていたので、気持ちの良いピアノ。この系統では、ボクは原田依幸のピアノが案外好きなのだけど、スガダイローもそう。キラッとする音が綺麗なのだ。ただ才気走るところ、魅力・実力と裏表なのだけど、古今スタンダードのフレーズを高速で貼り合わせたプレイには驚いたのだけど、早々にお腹いっぱい。1時間で丁度、の感覚になったのでありました。とても可能性のあるピアニストだと思ったので、多面的な音造りを大いに期待したい。あと、ベースの東保光はキチガイ的高速演奏を目指していて好ましいのだけど、残念なことにあまり音が出ていない。ボクが好きな感じ(であろう)の音を出そうとしているので惜しい。かつての国仲勝男の悠々たる高速演奏を目指して頑張って欲しいと思った。


全体として、なんとなく満足しきれない部分があって、近所のお店が連休中営業だったので、一杯一杯復一杯と重ねてしまった日曜の夜でありました。ありゃま。