アメリカの中西部へ行くときの中継地にサン・フランシスコを選ぶことが多い。フライト的にはロス・アンジェルスの方が便利、のように思えるが、ターミナル間の移動の便、何よりもターミナルの空気、のようなものが肌に合う。シカゴやサン・フランシスコはいいのだけど、ロス・アンジェルスはダメ、って感じ、知っている人には分かってもらえる、と思うがどうだろう。
このサン・フランシスコの空港で乗り継ぐ楽しみの一つが、ターミナル３の回廊に設けられたささやかな美術館、SFO museum。1月には李朝青磁の展示だったし、随分前はウルトラマンの展示だったり。今回はアールデコ。第一次世界大戦後の世界って、工業化社会かつ大衆社会のはじまりだったのだなあ、としみじみ。そしてPax Britanicaの終焉期。Pax Americanaが終焉期なのかどうか、そんなことが気になる昨今、見たこともない時代の甘い香りをかいだ、ように思えた。
アール・デコの時代は真空管の発明とともに電子工学が黎明期を迎えた時期でもある。
またアームストロングによるラジオの基本構成が発明された時期でもある。
