気がつくと、移り住んで満10年を越えて、11年目に入った。8月の最後の週だったように思う。良い魚が多い筈の土地に来たのだが、店にはさっぱり。不思議に思ったら、数日で地引き網解禁、ハタハタなど太平洋側では平素見かけない魚で溢れて、驚いた記憶がある。
その頃は1日が長かった。そして、土地の時間の流れに慣れるまで随分とかかったように思う。それに空の美しさ、月の大きさ・明るさ、そんなことに一つ一つ驚いたことが懐かしい。
しかし10年も経つと、この暮らしが平常。何か大切なものが気持ちの中で消えてしまったようにも思えるが、それは何だろう。
漠然と時間を使ってはいけない、と思いながらも、流されるように日々を過ごすのだろうな。