2015年頃に書いたECMの記事の整理を行っている。ECM1001〜ECM1010はまさにECMの創世記であり、混沌としたなかにある。アイヒャーが録音に関与しなかったものも多い。
だから、これらのレコードが物語るのは、IncusになったかかもしれないECM, EnjaになったかかもしれないECM, Flying DutchmanになったかもしれないECM。
しかし、そうならなかったECM。
一連のアルバムのなかで、ブレイとコリアのピアノ・トリオがECMの芯を与えている。またガルバレクのアルバムがその後暫く続く、ジャズ・ロック的なもののはじまり。ガルバレクのアルバムは数作で洗練されていくのだけど。
冒頭のECMの諸作を聴くことは、混沌の中からECMが生まれ出る、そのドキュメンタリーそのもの。実に面白い。各記事にはspotify, amazon HDのリンクを貼っているので、手軽に愉しめる。気がついたら、そんな時代になっている。