K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Thelonious Monk: Monk's Dream (1963) そう何もかも良い条件が揃ったアルバム

f:id:dailymusiclog:20200808185428j:plain

Thelonious Monk: Monk's Dream (Columbia, 1963)
A1. Monk's Dream 6:26
A2. Body And Soul 4:29
A3. Bright Mississippi 8:34
A4. Five Spot Blues 3:15
B1. Bolivar Blues 7:30
B2. Just A Gigolo 2:29
B3. Bye-Ya 6:01
B4. Sweet And Lovely 7:48
Thelonious Monk(p), Charles Rouse(ts), John Ore(b), Frank Dunlop(ds)
Producer: Teo Macero
Recorded on Oct. 31, Nov. 1, 2 & 6, 1962, 
at Columbia 30th Street Studio, New York City.
入手盤はCS8765、ステレオ

------------------------------------------------------------------------

今日届いたアルバム。

モンクのアルバムというのは不思議で、50年代から70年代初めまで、時間の流れを感じさせない何かがある。スタイルもバップなんだろうけど、そのような形に仮託しただけであって、フォーマットの上に載っているモンクの音に聴き入っている感覚がある。つまり本人が時代に対して変わらない、ということもあるけど、聴き手が聴いている「何か」が時間軸と無縁な何か、なんだろう。

悪く書けばどれも一緒、特にコロンビア盤の起伏の無さは凄い。どれも同じ、に見える。しかし、そこが重要だとも思える。足しても引いてもイケないモンクの音楽を蓄積しているのだ。

それにしてもコロンビア移籍第一作のこのアルバム、実に面白い。やはりバップではあるが、モンクのピアノは現代音楽的な匂いを諧謔のなかで振りまいたり、元々少ない音数を更に間引いたり、スクェアなクラシックと対峙するヒップなジャズ、の構図が鮮明。

何よりも、そんなモンクの音が実に鮮明に、異常に美しく煌めき、ごく自然な残響を伴って収録されている。元教会のColumbia 30th Street Studio。唸りながらピアノを叩くモンクが浮かび上がる。実に素晴らしい。コロンビア盤の良さを再認識させるアルバム。ライナーノートでマセロはピカソの絵に例え、モンクを迎えるコロンビアの高揚感を率直に述べている。そう何もかも良い条件が揃ったアルバムではないだろうか。

良く暖まった管球アンプで古いJBLを鳴らしていると多幸感に包まれる。

モンクス・ドリーム+4

モンクス・ドリーム+4

 
Monk's Dream [Limited Blue Colored Vinyl] [Analog]

Monk's Dream [Limited Blue Colored Vinyl] [Analog]

 

f:id:dailymusiclog:20200808185402j:plain

f:id:dailymusiclog:20200808185456j:plain