K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Thelonious Monk: Criss-Cross (1963) UK盤モノラルを聴く

昨日、DUの店頭でみつけた。UK盤モノラル。思いの外、安価(1000円札数枚)。ソロ・モンクのピアノが美音・高音圧だったので、期待し入手。

米盤(2 eye, stereo)と聴き比べた。ステレオ盤の奥行きのようなものも捨てがたい。米盤はエネルギーに満ちている。

UK盤のピアノの音は期待通り。欧州らしい美音、歪みが少ない。そしてモノラルらしい音圧で届いた。気持ち良い。


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[2017-08-18] 矛盾に満ちた

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モンクの音楽は矛盾に満ちている。ゴツゴツとふらつくようなスムーズでない運指から、とてもなくスムーズなビートのようなものが溢れ出る。ミクロにみると調性を外したような変な音から、マクロには弾むような旋律が紡ぎ出される。その奇妙な感覚、が彼の味そのもの。

コロンビアのモンクはソロ以外は入手して放置していたが、モンクのピアニズムを聴くという観点では、リヴァーサイド盤よりも良いのではないか。ジャズとか、そんな括りもどうでもよくて、その奇妙な感覚を最大限味わう意味で。

このアルバムでもジャケット写真が示すように、モンクのピアニズムをしっかりと聴くことができる。そこがアルバムの骨になっていて、それが実に美しい。骨だけでは色気が足りないから、ラウズが肉付けをしている、それもモンクの作曲行為の下で、だろう。It's Mink's timeと全く同じ世界観のなかにある。

ボクが聴いているのはステレオ盤。非常に明澄で、しかもジャズらしい音。JBLの古いスピーカーで聴いてもいいし、タンノイの新しいスピーカーでも実に綺麗に鳴る。Discogsでみると、やはりコロンビア盤だけあって実に安い。

クリス・クロス+3

クリス・クロス+3

 

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Thelonious Monk: Criss-Cross (1963, Columbia)
A1. Hackensack (Monk) 4:12
A2. Tea For Two (Caesar, Youmans) 3:46
A3. Criss-Cross (Monk) 4:52
A4. Eronel (Monk) 4:29
B1. Rhythm-A-Ning (Monk) 3:53
B2. Don't Blame Me (Fields - McHugh) 7:04
B3. Think Of One (Monk) 5:17
B4. Crepuscule With Nellie (Monk) 2:45
Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts), John Ore(b), Frankie Dunlop(ds)
Producer : Teo Macero

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