K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994[CD1] 完全な収録

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994 (1994, Nadja21)
[CD1]
1.Summertime 7:19
2.Skylark (piano & perc duo) 3:30
3.Waltz Step 6:05
4.My Favorite Things 9:17
5.Kansago-No (bass-solo) 4:16
6.Begin The Beguine 5:14
7.Coral Spring 7:42
8.Laura 5:40
9.Bley's Triad 2:40
10.Home On The Range (piano & bass duo) 5:04
11.Song in D (bass-solo) 4:28
12.Misty (piano-solo) 4:28 6:56
13.Round About Midnight※ (piano-solo) 6:10
Great 3: 菊地雅章 (p), Gary peacock (b), 富樫雅彦 (perc)
Recording engineer: 及川公生
Mastering engineer: 辻裕行
Recording: 1994 年4月1&2日銀座“音響ハウス”

------------------------------------------------------------------

Nadja21名で(Nadjaは半世紀近く前のトリオ・レコードの名レーベルだ)、かつて販売されたビギン・ザ・ビギン(スタジオ)、テネシー・ワルツ(ライヴ)の2つのCDを統合し、さらに未発表録音を足した4枚組のアルバム。大作だ。

まずは、スタジオ収録のCD1を聴いた。実はビギン・ザ・ビギンは持っている。しかしスタンダード曲中心の「企画モノ」ということで、「ヴィーナス的アレ」を感じ、1曲めの途中で関心をなくしてしまった。

今回、改めて聴き直した訳だけど、彼ら3人の音空間が刻銘に記録されていて、その音の鋭さ、に惹き込まれてしまった。改めてビギン・ザ・ビギンを聴いてみたが、若干丸みを帯びたような印象で、明らかに今回の録音の方がダイナミックレンジが広がっていて、スタンダード集の印象よりは、曲の枠のなかで触発し合う3人の攻めが強い印象。

完全な収録、と書いたのは、未発表曲が追加されたこと、だけではない。ECMの過剰な残響に埋もれた残念なアルバムと比べ、3者の音(特にピアノ)が美しく、激しく、そして粒だった一音一音が完全に収録されていること、を伝えたかったのだ。