K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Serenity (1972) Fantasy盤を凌駕する?ほどの良好な録音

Primary

Bill Evans: Serenity (1972, France's Concert==> Get Back)
A1. Re: Person I Knew
A2. Turn Out The Stars
A3. Gloria's Step
B1. Two Lonely People
B2. Waltz For Debbie
B3. What Are You Doing The Rest Of Your Life
Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Marty Morell(ds)
recorded: Feb 6, 1972 at la Maison de la Radio, Paris.
--------------------------------------------------------------------

レコードって面白くて、縁があるとやってくる、そんな感覚がある。このところ、未入手のブート盤がやってきている。

そもそも最近のキングインターナショナル発売の180g盤でのResonance発掘盤の音の酷さに呆れたので、さて従来からのブート盤が気になった、という流れ。概ね、聴くに耐える録音で(Resonanceは厳しいものもある)、ライヴを楽しむことができる。CD時代になって、むしろ質が悪い録音を「Digital re-mastering」と称して、気持ち悪い音場を作るようになった、と思える。

さて本盤は1988年に発売されたFrance's Concert盤からのThird press:

実はこのアルバムCD3枚を持っている。購入後に気がついた。

当時のFantasy盤を凌駕する?ほどの良好な録音。針を下ろして広がるモレルのブラッシングが実に美しく、またエヴァンスを煽るような「冷たい炎」が実に気持ちよく聴こえる。また中山本にもあるように、ゴメスの音が自然に響いていて、案外嫌な感じには聴こえない。優秀盤である。

演奏だけど、初期の優美な演奏、晩期の鬼気迫る演奏、の中間位置たる中庸なトリオ演奏もまた良し、と思う。程よい速度の美音を楽しむことができる。