K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

レコード掃除(1):LPレコードの金がかからず効果的な洗浄(絞った濡れタオルで磨く)

レコードのクリーニングは悩ましい。普通にベルベットの湿式クリーナーで埃をとっても、なんだか静電気を喚起し、何やっているのだか、分からないことが多い。

それと同時に、購入したレコードの音が死んでいる場合、があって、奏者と聴者の間に何重か薄膜が張っているように感じることがある。当初はがっかりしていた訳なんだけど、そんなときは何回か聴くと復旧することもあって、何だろうなあと思っていた。

最近はディスク・ユニオンの「レコ・クリーン」を使っている。埃を取る効果はあるのだけど、何となく手応えが薄い感覚もある。しかし、先日、最近レコードにハマったSちゃんの旧ソ連ロディア盤をレコクリーンで磨いた後、音が復旧したことには驚いた。しっかり溝に沿わせるようなクリーニングは効果があるのだ。俄然、盤面のクリーニングに関心が出てきた。

最近、レコードを購入した店のwebサイトにレコードのケアについて記載されていることに気がついた。出荷するレコードを機械洗浄すると、音が生き返る、という。新品でも効果があるらしい。

しかし真空吸着のマシンは何となく邪魔だし、面倒だなあと思っていたら、濡れタオルで同等の効果があるという。

ということで早速試した。

結論は、

・埃によるスクラッチ雑音除去は効果がある場合、ない場合がある。

・音質の改善、音圧の向上には効果が高い。高音が出るようになり、音のエッジが立つような印象。ピアノの金属音が強調されるような印象。

台座代わりに、DUのターンテーブルマット。タオルは今治の和タオルと洋タオルを折衷したもの。細かく毛羽立っている、吸水性が良い、点で選んだ。これは正解。

タオルを温い温水でよくすすぎ、手で固く絞る。

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あとはレコードの溝にタオルの細かな毛が入り込むような感触を感じながら、同じ方向に磨く。そのあとは湿気を取る目的と、仕上げのためレコクリンの「レコクロス」で磨きをかける。

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それだけで、レコードを痛める可能性は低く、かなりの音質改善効果にうっとり。何枚か磨くと、タオルの毛が潰れ、溝を磨く感覚が薄れる。再び、ぬる湯ですすいで絞ると復活する。

 

あまりCDとの音質差を感じず、がっかりしたフォノグラム盤のTBM、高柳昌行のcool jojoは音圧発生。もともとスクラッチ雑音はなかったけど、DU再発のCDとあまり変わらない印象があったが、印象はがらっと変わった。アタックが強くなった。

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クラッチ雑音があり、まあ美音であるが、何か「もう一つ感」があったヴェローゾドミンゴ(モノラル)。これはスクラッチが減り、スタジオの残響を感じさせる程、音がせり出した。嬉しい。

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ミケランジェリラヴェル・協奏曲(モノラル)。あまり不満はなく美音と思っていたが、磨いたらピアノの音が鋭角的になって、古ぼけた音がリフレッシュ。古い録音だし仕方がないと思ったが誤解だった。

橋本一子・藤本敦夫のカラード・ミュージックも大復活。音圧があがって、グルーヴ感が強い。嬉しいなあ。

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これはキース・ジャレットのケルン。最初期のオリジナル盤(裏ジャケットのレコード番号下に数字の記載が無い)。残念ながら、スクラッチ雑音が多く、あまり良くない。磨いたところ、少しスクラッチ雑音は減ったが、それ以上に音質の改善に驚いた。音が立ち上がったのだ。だから音量を減らすことができ、相対的に雑音の影響は感じにくくなる感じ。

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以下がセカンドプレスの場合。

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ベーレンプラッテっさん、ありがとうございました。

これから暫くは、古レコード磨きに精が出そうだ。やれやれ。