K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Blue Noteのキング盤とUA盤RVG刻印を聴き比べる

左がキング盤で1979年頃に購入、右がUA盤で青白・RVG刻印。1971年のもの。

キング盤とUA盤RVG刻印を聴き比べた。フォノイコライザのセッティングは変えている。

1970年代末、レコード蒐集をはじめた頃、円高もあり米からの輸入盤は格安だった。しかしながら、ヴェトナム戦争からの疲弊で経済状況は悪かった時代であったように思う。だから、 1970年代初頭と比べ、レコード盤はペラペラ、ジャケットは質の良くない薄いボール紙に印刷されたジャケットを貼り付けた体裁。だから盤質、ジャケットともに良好な日本盤を意識的に買っていた、と思う。

しかし、ある時期に気がついたのは、音の迫力というか瞬間的な跳ね上がり、のようなものが米盤のほうが良いこと。迫力が日本盤と違うのだ。同時に、西独盤は日本盤と比べ、音の透明度が良く音溝から拾うスクラッチ雑音が小さいことに気がついた。以来、日本盤よりも米盤、西独盤を買っていた。1980年過ぎ、ではなかろうか。日本盤は総じて高音の伸びが悪く、柔らかな音になっているのだ。

 

さてマッコイ・タイナーのBlue Note盤だが、キング盤の方がダイナミックレンジ広く、ピアノの圧縮感が小さい。割と整った音がしている。日本盤固有の柔らかさが残念だが、全体のバランスは良い。これがいい、と思う人が少なからずいることが理解できた。

それでもRVG盤の魅力?魔力は、あの強い圧縮感なんだろうな。それに加え、米盤固有の抜けの良さ、のようなものが良い。同じUA盤であっても、後年の「音符レーベル」の頃(1970年代後半)に比べると、ジャケットの質感、盤質ともに、オリジナルに準じる。ソロが交代するときの、音が飛び出る感じの愉しさは、やはり米盤のほうが強いように思った。