K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

矢野顕子:長月 神無月(1976)あめふり前の温い夜半前

矢野顕子:長月 神無月(1976)
   1. あんたがたどこさ(日本わらべ歌)
   2. あわて床屋
   3. いもむし ごろごろ(日本わらべ歌)
   4. 待ちぼうけ
   5. アメフリ
   6. 相合傘
   7. 金太郎
   8. あの町この町
   9. 風太2
   10. 君が代(日本国国家)
   11. 達者でナ
   12. 絹街道
   13. 津軽ツァー
   14. ジャイアンツを恋うる歌

あめふり前の温い夜半前に帰ってきて、何を聴こうかと少しだけ悩んで鳴らしてみたのは矢野顕子のデビュー・コンサートのライヴ盤。まだLP全盛期だから僅か34分の収録。そうなのだけど、音の密度がとても濃くて、今と変わらぬ矢野顕子の音が飛び出す。もう35年前の録音。

一昨年だったか,東京ジャズでの上原ひろみ矢野顕子とのデュオを聴いた。殆ど親子同然の年齢差であることに驚いたのだけど、あわせて矢野顕子のピアノのよさを改めて思い出してしまった。確かにスピード感は上原ひろみ、なのだけど、ピアノが嬉しそうに鳴り,あわせて嬉しそうな声で合わせていく音の気持よさに驚いてしまった。とても対照的なふたりだった。

その矢野顕子の今の音、とデビュー当時の音、が基本的には同じ世界をつくっていることに驚いてしまう。なんだろうね。とにかくピアノが嬉しそうに鳴っているのだ。このアルバムの前半は弾き語り。縦横無尽に駆けていくような音。後半はバンドが入って奇妙なグルーヴ感をたたえて,うねり・うねり音を出している。

まあ花曇りのような夜、あめふり前のひとときに聴くのにぴったりだなあ,と34分が過ぎた今、あらためて思っている。