K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Nora Sarmoria: Fenix Espiral (2010) 弾ける音の奔放さに翻弄される

CDの盤面はこんな絵。楽しい

Nora Sarmoria :Fenix Espiral (2010, NORA SARMORIA)
   1. Malisimo
   2. Islena
   3. Tus rulos
   4. Hojita de la coca + la flor de papa
   5. Enamorada del muro
   6. Milonga cromada
   7. Milonguiana
   8. Timo misteriosa
   9. Barcos en nubes
  10. Fenix espiral
  11. Bolivian buey
  12. Merval
  13. Hermestrismegisto
  14. Zamba de la sirena
【Guest Musicians】
LILIAN SABA - pianio
FACUNDO FERREIRA - percussion
MARCELO CHIODI - quena, flute
MARTIN PANTYRER - sax, clarinet
DAMIAN VERNIS - bass

 年末から南米、アルゼンチンやブラジルの音探しに熱中していた。一昨年にカルロス・アギューレの一連のアルバムを入手してから、特に最近のアルゼンチン音楽に関心が募っていた。youtubeを巧く使うと、随分いろいろな奏者を知ることができる。便利な時代だ。そんな風にして、カルロス・アギューレからリリアン・サバを知り、リリアン・サバと共演するノラ・サルモリにたどり着いた。ピアニストであり唄い手。

 何枚か手にしたアルゼンチンの音盤のなかでも、これは剛速球で真ん中に当たった感じ。アギューレのような、ややもすれば過度とも云える耽美的なムードは薄い。しかし、弾ける音の奔放さに翻弄されるような、心迷わすような、時に美しく、時に荒れるような音の海に溺れてしまいそうになる感じ。楽しいし、どきどきする。

 webをみていると、ブラジルのジスモンチとかパスコアールの継承者、という表現が目につく。そうボク達が彼ら(ヴァスコンセロスも加えたい)に期待するのは、radicalに音を求め、聴き手の期待をある意味で大きく裏切るような意外性にあると思う。驚きがそこにあり、そして新しい音と鉢合わせになる悦び。

 ボクが矢野顕子が好きなのはジスモンチなんかと同じ理由。だから何となく、アルゼンチン盤の矢野顕子、のように思えているのはボクだけではないと思う。

 それにしても楽しいアルバム。もっともっと彼女のアルバムが欲しいのだけど、あまり在庫がないようだ。これで暫く探盤の楽しみができた。

 

 

 

追記:http://www.norasarmoria.com.ar/indexin.html が公式サイト。

   ヴィデオ・クリップのリンクもあって、楽しい。