K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(BLP4022) Duke Pearson: Profile (1959) 揺れる美音

 今年欲しかったレコードはいろいろあるが、デューク・ピアソンの初期のピアノ・トリオが2枚、勿論ブルーノート。モノラル盤が欲しい、と思っていた。随分前に新宿のディスク・ユニオンのセールで見たのだけど、2枚とも6万円台。ということで手が出なかった。最近になって、遙かに安価(といっても相応の値なんだけど)に入手。多分、耳マーク(ついていると音がいい、という)がないからだと思う。

 ブルーノートのアルバムは「中音強調で音圧最大」なので、音域を狭めた印象がある日本のレコード盤との相性は良い、と思う。だからキングレコード東芝EMIのプレスであっても、存外に良い音がする。またレコード会社ジャズ部門の看板レコードだから、丁寧に作り込まれている、印象はある。聴いてみると、これらの音は僅差の違い、しかないように思われる。結局のところ。それでも、はっとするような瞬間があって、それが期待となって、たまに手が出てしまう。期待通り・外れが半々くらいかなあ。

 ボクは最近になってデューク・ピアソンが気になりだした。初期のアルバムのピアノは力強いし、揺れる美音が魅力。今朝から大きな音で聴いていたら、本当に気持ちが良い。エヴァンスのように美音過ぎず、パウエルのように早すぎず、モンクのように強すぎない、そんな平衡感覚の良さが特徴の薄さ、になっているのだろうけど、なかなかスィングする美音って良いものだなあ、と思う。東芝盤、ディスクユニオン盤に続く三枚目なのだけど、あえて聴き比べない。最初の一音から深く満足したからね。それで十分だと思う。

追記:札幌から帰ってからクラシックばかり聴いていた、自宅では。感情の奥に射し込むようなピアノの音の素晴らしさと同時に、疲れていたように思う。だから今朝のピアソンは格別に優しい、ように感じる。

apple music:


 

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Duke Pearson: Profile (1959, Blue Note /BLP4022)
A1. Like Someone In Love
A2. Black Coffee
A3. Taboo
A4. I'm Glad There Is You
B1. Gate City Blues
B2. Two Mile Run
B3. Witchcraft
Duke Pearson(p), Gene Taylor(b), Lex Humphries(ds)
Design [Cover]: Reid Miles
Photography: Francis Wolff
Liner Notes:Ira Gitler
Producer: Alfred Lion
Recording by Rudy Van Gelder
Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
Recorded on October 25, 1959.