K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

[追記] Blue NoteのTone poet seriesについて(Kevin Grayの音)

ビル・エヴァンスのOJC再発で知ったRe-mixのKevin Gray:

このKevin GrayがBlue Noteの再発Tone poet seriesでもre-mixを行っていると知った:

Tone Poet Series

トーンポエット・オーディオファイル・ヴァイナル・リイシュー・シリーズは、当社の最高級ヴァイナル・シリーズです。トーン・ポエット」ジョー・ハーレイがプロデュースし、監修したこのシリーズは、ブルーノート・レコードのカタログや、パシフィック・ジャズ、ユナイテッド・アーティスト、ソリッド・ステイトなどのレーベル・ファミリーから、オールアナログ、180gのオーディオファイル品質の復刻盤をお届けします。Tone Poetのレコードは、Cohearent Audioのケヴィン・グレイがオリジナルのアナログ・マスターテープから直接マスタリングし、カリフォルニア州カマリロのレコード・テクノロジー社(RTI)で製造されている。このリリースは、フランシス・ウルフによるレコーディング・セッションの素晴らしい写真で飾られた豪華なゲートフォールド・ティップオン・ジャケットに収められ、リスナーは音楽が生まれた日のスタジオを垣間見ることができる。「物心ついたときからジャズとサウンドに夢中だった」とハーレイは言う。「ケヴィンのシステムで初めて本物のルディ・ヴァン・ゲルダー・ブルーノート・マスターテープを聴いたときのことは忘れられない。言っておきますが、あのマスターテープの音は大きく、ダイナミックで、まるでプレイヤーが目の前にいるかのようにリアルなんです!""私たちの音の目標は明確になりました。「ハッケンサックにあるルディのリビングルームや、後にニュージャージー州エングルウッド・クリフスにあるルディのスタジオに実際に行ったときのようなサウンドをリスナーに知ってもらうために。実際のタイムマシンがなくても、これはブルーノートのオリジナル・レコーディング・セッションの現場に立ち会えるのと同じようなものだ。「マスタリングからプレス、パッケージング、実際のラベルを含むアートワークの信憑性まで、あらゆる面で決定的なものにしたかった。ブルーノートのLPパッケージに関しては、ジャケットのグラフィックから印刷のクオリティに至るまで、考え得るあらゆる方法でこれらを正しく仕上げるために、細部に至るまで細心の注意が払われてきた。これらのブルーノート・リリースのあらゆる面は、可能な限り最高水準で行われている。つまり、これより優れたバージョンは決して見つからないということだ。これがITなのだ。 (上記サイトをDLで翻訳)

 

そう云えば、と思い出した。ボビー・ハッチャーソンやアンドリュー・ヒル、デューク・ピアソンの発掘盤や再発盤が、そんな名前だったと。

という訳で、正座して聴いてみる(心持ちのこと)。

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OJC再発と同様の印象。ブルーノートらしい音であるが、音の鮮度が高い印象。しかし、発掘盤なのでreferenceがない。ということでレコード棚を探すと、あった!f:id:dailymusiclog:20231231093146j:image

Tone poetの2枚組。2枚めが未発表テイク集。勿論1枚めを聴く。
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オリジナルではないと思うが、NYレーベルでRVG刻印、「耳」付き。ステレオ盤。

聴いた結果、やはり「Neo-Blue Note」と云うべき音で、必ずしもルディ・ヴァン・ゲルダーがカッティングした盤(RVG刻印)の音に忠実ではない。ボク的には、RVG録音よりも好みかも。

思い出すのは、ディスクユニオンのモノラル再発。たまたま御茶ノ水のジャズ喫茶でのイベントで話をした塙氏は、「RVGを再現しない」、と明言していた。その結果として、割とflat transfer的な音になっているのだけど、物足りなさ、を感じてしまうのだ。RVGとの距離の取り方、は難しいのだと思う。

この盤はOJC同様、180g盤のダイナミックレンジを最大限活用するような音になっている。音圧はRVG刻印/耳盤よりも高い。そして高音が若干強調されて、鮮度を高めている。これが逆にRVGらしい音、紫煙のなかの薄暗い空間が似合う、から僅かに離れているが、50年代から60年代の音盤が孕む空気は失っていない。そして、原盤になかった残響が付加されていて、実際の演奏空間に居るような感覚を与える。

ということで、Tone poet seriesも良い、ということが良くわかった。

やばいなあ。

[追記] 1/5

聴いていて気がついたのは、スピーカーとの相性の違い。

Blue Noteに限らず古いレコードはやはり、古いスピーカーと相性が良い。40年くらい前のJBLで聴いている。10年位前のTannoyで聴くと、高音に無理があって聴き辛い。Kevin Grayの盤ではTannoyが丁度良い。結局、今の音響装置のダイナミックレンジまで音が拡張されている。これが、また良い。