先週1週間、これをクルマのなかで聴き続けた。異国の鳥のさえずり、と絡み合うピアノの音に惹かれた。季節、に合ったのだと思う。
[2016-3-23記事] 今日の昼下がり
今日の昼下がりの音楽。昨日に続いて南米音楽でほっこり。
ファビオ・カラムラというクラシック系のピアニストが今風の現代音楽のようなピアノ曲を演奏。ピアノとブラジルの動物と会話、という副題のとおり、屋外で録音された鳥の声が重なっている。淡い重なりであり、午睡のなかできこえてくる鳥の声、のような感じで、すこぶる気持ち良い。
apple musicで聴いているが、ピアノの響きの良さ、を予感させるもので、CDが欲しくなった。
日本人による日本人評は、かつての著しい自己卑下(欧米賛美もその変種やね)と、最近の著しい自己賛美(嫌中、嫌韓もその変種やね)のなかを振幅している。双方に通底する心性として、日本人は特殊な民族、という感覚がある。その一つに、虫の鳴声を情緒的に捉えられるのは日本人固有の特性で、西洋人には雑音にしか云々、があって、右脳・左脳まで絡めて、なんとも、という内容。
このアルバムでの鳥の声の扱いを聴いても、シャソールのアルバムなんかを聴いても、そのあたりの人間の感性は普遍性があるのではないかなあ、と思うのだけど、どうだろうか。
鳥を扱った現代音楽で有名なものには、メシアンの曲集があり、鳥の声を忠実(?)に譜面に記したような無調の音。それよりは、遙かに聴きやすい、調性のなかの音。むしろ、ヴェトナム映画「青いパパイヤの香り」の現代曲(トン・ツァ・ティエ)に近い。これも虫の声とピアノの音が醸し出す、失われた記憶、のような時代へのオマージュ。とても美しいものだった。