音の振幅が大きい、というか、ボッサ風からジャズ風、MPB風と広がっているが、ジスモンチの音そのもの。冒頭の曲から、40年以上前からジスモンチはジスモンチであって、そんなに変わっていないことを知る。
今春のナナ・ジスモンチのコンサートは、ナナの逝去で単独コンサートとなったが、是非とも行きたかった。が仕事で行けなかった。とても残念。だけど、こうやって彼の音を流していて、かなり満足していることもあって、実は心底残念、と思っている訳でもない。
強い個性を持っている人は、スタイルがその人そのもので、時間・時代の干渉を撥ね付けている部分がある。ジスモンチは、その類いの人。この「デビュー・アルバム」を聴いてそう思う。
勿論、ECMの1970年代のアルバムで存在を知ったのだけど、ECM以外のアルバムでは彼の振幅は大きく、ECMで濾過される前の原液を呑むことができる。毒は強いが、エグ味が美味しい。
apple music:
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Egberto Gismonti (1969, Elenco)
1. Salvador 3:41
2. Tributo A Wes Montgomery 3:21
3. Pr'um Samba 3:08
4. Computador 3:12
5. Atento, Alerta 3:18
6. Lirica II (Pra Mulher Amada) 1:37
7. O Gato 3:43
8. Um Dia 3:18
9. Clama-Claro 2:03
10. Pr'um Espaço 2:39
11. O Sonho 4:28
12. Estudo N° 5 2:02
Egberto Gismonti (p, g, voice)