この1週間、自室にやってきたプリ・アンプ(McIntosh C2500)を動かし続けている。いわゆるエージング。1週間もたつと驚くほど柔らかい音になっている。エージングは「子犬の躾」と同じだと思うので、好みに合う演奏を流している。iTunes+Audirvanaの再生ソフトウェアからC2500内蔵のDA変換器を叩く。音源はKind of Blue, Waltz for Debby, Secret lifeなどなど。昨夜はこれ。ジスモンチの1996年のアルバム。
ジスモンチの音楽には万華鏡のように様々な色彩の切片が放り込まれていて、眺める角度によって、かなり複雑な文様を放つ。ECMはそのなかでも静謐な切り取り線を用意している。決して彼の多様性を尊重している訳ではなくて、彼とECMが交差する部分をうまく切り取っているように思う。本当にうまい。
このアルバムの寂しさ、はなんだろう。鈍い光のなかで目覚め、音響装置を置いている部屋に行くと、彼のピアノがゆっくりと、低い音で流れていた。窓の外には、白濁した曇り空のなかで曖昧な稜線が見えたり、消えたりしている。そんな北陸の光景とブラジルの音楽の親和性って何だろうか。
そんな意味のないことを考えていたら、このアルバムを買った店を思い出した。シカゴの湖の近くにある大きなレコードショップ。随分沢山のCDを買った。その奥に沢山のレコードがあったのだよね。その頃からレコードに切り替えたら良かったなあ、なんて無意味に考えて過ごす日曜日の朝。そろそろ働かなくちゃね。
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Egberto Gismonti: ZigZag (1996, ECM)
1. ZigZag
2. Mestiço & Caboclo
3. Orixás
4. Carta De Amor
5. Um Anjo
6. Forrobodó
Egberto Gismonti(g,p), Zeca Assumpção(b), Nando Carneiro(g, synth)