K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Trio '65 (1965) VerveのRudy Van Gelder2

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 ゲッツのsweet rainの演奏の良さ、と裏腹に、録音が合わなかった。これが、ヴァン・ゲルダーの衰調の兆し、でもなかろうと、もう少しVerveのレコードを探ると、これがヴァン・ゲルダーの録音。sweet rainと同じモノラル盤なので、聴いてみる。

 ラファロ後のエヴァンスはあまり沢山は聴いていない。それでもチャック・イスラエルとの演奏は決して嫌いでは無くて、エヴァンスのピアニズムを聴く、という観点では歴代ベーシストなかで一番じゃないかと思う。サポート役に徹していて、エヴァンスがゆったりとした演奏を聴かしている、のである。riversideでのHow My Heart Singsの再演を聴いて、改めてそう思う。このアルバムでは、全体的にそのようなリラックスしたなにも、美しいピアノの音を響かせていて、素晴らしい。

 このアルバムでは録音技師名としてヴァン・ゲルダーの記載はされているが、録音場所のcreditはない。盤にはvan gelderの刻印がされている。sweet rainで不満だったピアノの曇ったような感じ(Blue Noteサウンド的)は全くなく、とても自然に捉えられている。モノラル固有の音圧の高さもあって、楽しく・美しい録音であった。ただ、ECM的な清澄さはなく、むしろ音圧を高め、打鍵の迫力を伝えるような録音。それがヴァン・ゲルダーのジャズなのだろう。


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Bill Evans: Trio '65 (Verve, 1965)
A1. Israel 4:45
A2. Elsa 4:17
A3. Round Midnight 6:38
A4. Our Love Is Here To Stay 3:59
B1. How My Heart Sings 2:47
B2. Who Can I Turn To? 4:50
B3. Come Rain Or Come Shine 5:23
B4. If You Could See Me Now 4:46
Bill Evans, Chuck Israels(b), Larry Bunker(ds)
Engineering: Rudy Van Gelder
Producer: Creed Taylor
保有盤はモノラル

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van gelderの刻印あり